2020年2月1日土曜日

Wonder Woman #750 感想

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。


 Wonder Woman誌が通算750号を迎えるということでその記念誌を読みました。通常の連載作品のほかに、豪華なライター陣による多数の短編も掲載されています。

【基本情報】
Writer: Mariko Tamaki, Marguerite Bennett, Gail Simone, Greg Rucka, Steve Orlando, Scott Snyder, Vita Ayala, Dean Hale, Shannon Hale, Kami Garcia
Artists: José L. García López, Bilquis Evely, Emanuela Lupacchino, Liam Sharp, Ramona Fradon, Travis G. Moore, Bryan Hitch, Amancay Nahuelpan, Riley Rossmo, Phil Hester, Elena Casagrande, Laura Braga, Colleen Doran, Nicola Scott, Jesús Merino
発行年 2020年

公式サイトはこちら。



筆者は最近のWonder Woman誌を追いかけてはいないので、現行の連載作品ではなく多数の短編作品の方に重点を置いて読みました。Gail Simone氏の作品はWonder Woman Vol. 9 (感想はこちら)に掲載されていた作品の続きになっていますので、そちらを読んでからの方がいいかもしれません。単独で読んでも十分楽しめると思いますが。

また、Marguerite Bennett氏の作品はDC Comics: Bombshells (感想はこちら)の世界観のキャラクターたちが、BombshellsのWonder Woman (ワンダーウーマン、ダイアナ)について語る――というもので、読んでいてほのぼのできるのですが折角それなりのページ数があるのだからBombshellの世界観でワンダーウーマンが活躍するショートストーリーにはできなかったのかなと、少し勿体なく思いました。

多くの作品に共通しているのは、「ワンダーウーマンがMercy(慈愛の心)を持ったキャラクターであり、そのMercyは子供や弱いもの相手にはもちろんのこと、敵に対しても発揮される」ということです。
ただ、うーん、Wonder Woman 75周年の記念号として発売されたWonder Woman Vol.9に掲載されていた短編群と今回の短編群を比較すると、今回の掲載作品群はやや単調になってしまっている印象は否めません。Vol. 9の掲載作品の方がバラエティーに富んでいました。
今回の作品群は、ワンダーウーマンを称えることにみんなが終始してしまっているような。こういうの、出版社の方で調整しないのでしょうか。記念誌はライターの好きに書かせることになっているのでしょうか。

そんな中、印象的だったのはSannon & Dean Hale氏がライターを務める、「ダイアナに里帰りしてほしいアマゾン族の女王ヒッポリタが『島にヒドラが出現して手に負えない』とダイアナを呼び戻す」という作品でした。

ストーリーの中で、ヒッポリタ女王の茶番劇(ヒドラはアマゾン族の皆さんで普通に倒せる敵のようです)ににこやかに付き合うアマゾン族の皆さんや、ダイアナにパートナーはできたのかと聞かなくてもいいことを聞くヒッポリタさんがいい感じだと思います。そんなことを聞くから娘が実家に寄り付かなくなるんですよ。……ともあれ、崇高な使命のために娘を外界に送り出したとはいえ、親としては一年に一回くらいは実家に帰って来てほしいだろうなと思うのでした。ダイアナさんもたまには里帰りしましょう。