表紙からキャシーの活躍する話だけ収録されているのかと思っていたのですが、ドナ・トロイや少女時代のWonder Woman (ワンダーウーマン、ダイアナ)が活躍する話も収録されています。
【基本情報】
Writers: John Byrne, Bruno Premiani, Robert Kanigher, Various
Artists: Various, John Byrne, Neal Adams, Bob Haney, Ross Andru
Cover by: Doug Hazlewood, Nicola Scott
発行年 2017年
公式サイトはこちら。
Wonder Girlを名乗ったことのある三人の、初登場作品や活躍する作品が収録されています。キャシーの初登場作品はWonder Woman by John Byrne (感想はこちら)に収録されているものと同じですね。
意外だったのはDonna Troyの初登場作品です。1965年のThe Brave and the Bold #60という作品なのですが、初登場なのにほぼキャラクターについての説明がなく、アマゾン族の女王ヒッポリタの娘らしいという程度で話が進んでいきます。調べてみるとこの作品、Teen Titansという十代のヒーローたちによるチームが初登場する作品らしく、それに合わせてワンダーウーマンの子供版 = ワンダーガールが登場したということらしいです。ドナはもともと、Teen Titansと切っても切れない存在だったのですね。
収録作品の中で印象的だったのは、ドナ・トロイを主人公にしたWonder Woman: Donna Troy #1という作品でした。以下、ネタバレを含む感想です。話の核心までネタバレしています。
この作品はThe Return of Donna Troy(感想はこちら)の後に描かれた作品らしく、ドナはTroiaというヒーロー名で活動しています。ストーリーは、教会にドナが一人で入りキリスト像と会話をする――という形で進んでいきます。そして少し前に、ドナがワンダーウーマンやキャプテン・マーベル(シャザムですね)と共に解決した事件のことが語られます。
語られる事件の内容、およびそのころドナに起こったことを整理して考えれば、ドナはむしろ自分を誇ってもいいのでは――と思える内容です。
多様性を訴える行進をする人々に対して向けられたネオナチの憎悪を、ドナはワンダーウーマンたちと共に撃退しています。また、ドナが家族に愛されていたということも語られています。
それでも、キリスト像と対峙するドナはひどく深い悲しみの中にいます。それは、「もっとうまくできたのではないか」――という後悔です。
敵の撃退に成功したとは言っても事件での犠牲者は出たわけですし、ドナの愛した家族はいなくなっているわけですし、そうした後悔を抱くのももっともであるといえます。
この作品、ドナはずっと一人でキリスト像に対峙し続けます。キリスト像に自分の気持ちを述べ、自分で自分のわだかまりを整理していきます。
ヒーローであることもあり、いろいろと大変な人生を送っているドナがこうして一人静かに心を整理する時間が持てるのは大事なことだし、絶対に必要なことなのだろうなという感想を持ちました。
Wonder Girlを名乗ったことのある三人の、初登場作品や活躍する作品が収録されています。キャシーの初登場作品はWonder Woman by John Byrne (感想はこちら)に収録されているものと同じですね。
意外だったのはDonna Troyの初登場作品です。1965年のThe Brave and the Bold #60という作品なのですが、初登場なのにほぼキャラクターについての説明がなく、アマゾン族の女王ヒッポリタの娘らしいという程度で話が進んでいきます。調べてみるとこの作品、Teen Titansという十代のヒーローたちによるチームが初登場する作品らしく、それに合わせてワンダーウーマンの子供版 = ワンダーガールが登場したということらしいです。ドナはもともと、Teen Titansと切っても切れない存在だったのですね。
収録作品の中で印象的だったのは、ドナ・トロイを主人公にしたWonder Woman: Donna Troy #1という作品でした。以下、ネタバレを含む感想です。話の核心までネタバレしています。
この作品はThe Return of Donna Troy(感想はこちら)の後に描かれた作品らしく、ドナはTroiaというヒーロー名で活動しています。ストーリーは、教会にドナが一人で入りキリスト像と会話をする――という形で進んでいきます。そして少し前に、ドナがワンダーウーマンやキャプテン・マーベル(シャザムですね)と共に解決した事件のことが語られます。
語られる事件の内容、およびそのころドナに起こったことを整理して考えれば、ドナはむしろ自分を誇ってもいいのでは――と思える内容です。
多様性を訴える行進をする人々に対して向けられたネオナチの憎悪を、ドナはワンダーウーマンたちと共に撃退しています。また、ドナが家族に愛されていたということも語られています。
それでも、キリスト像と対峙するドナはひどく深い悲しみの中にいます。それは、「もっとうまくできたのではないか」――という後悔です。
敵の撃退に成功したとは言っても事件での犠牲者は出たわけですし、ドナの愛した家族はいなくなっているわけですし、そうした後悔を抱くのももっともであるといえます。
この作品、ドナはずっと一人でキリスト像に対峙し続けます。キリスト像に自分の気持ちを述べ、自分で自分のわだかまりを整理していきます。
ヒーローであることもあり、いろいろと大変な人生を送っているドナがこうして一人静かに心を整理する時間が持てるのは大事なことだし、絶対に必要なことなのだろうなという感想を持ちました。