2020年10月24日土曜日

Wonder Woman (2016-) Vol. 1: The Just War 感想

 ※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。 

  

 2016年から始まったRebirth期Wonder WomanのVol. 1を読みました。……ええと、このナンバリングには少し説明が必要です。

 

 Rebirth期のWonder Woman誌はGreg Rucka氏がライターを務めたVol. 1 (感想はこちら)に始まり、その後は複数のライターにバトンが引き継がれ、Vol. 9 (感想はこちら)まで進んできました。

 そしてここで単行本のナンバーがリセットされ、またVol. 1に戻っています。Vol. 1に戻ったので諸々の設定がリセット……かと思いきや、Greg Rucka氏のエピソードやJames Robinson氏のエピソードで描かれた設定をしっかり引き継いでいるので油断出来ません。

 読む側とすれば素直にVol. 10にしてくれた方が順番が分かりやすいのですが、単行本が10巻以上になると「長そうだから手を出すのやめよう」と思う読者が増えるというデータでもあるのでしょうか。

 

【基本情報】
Art by: Jesús Merino, Emanuela Lupacchino, Xermanico, Cary Nord
Written by: G. Willow Wilson
発行年 2019年

公式サイトはこちら。


 読む前に必要な情報としては、

・Wonder Woman (ワンダーウーマン、ダイアナ)は故郷のセミッシラ島を離れてから一度も帰れていない(帰る方法が分からない)。

・セミッシラ島の地下牢では戦神Ares (アレス)が永遠に捕らわれている。最近そこに、Darkseid (ダークサイド)の娘、Grail (グレイル)も加わった。

・かつて、アメリカ人のVeronica Cale (ヴェロニカ・ケイル)はギリシアの神々のごたごたに巻き込まれ、娘が呪われた。娘の呪いはセミッシラでないと解けないので、娘をアマゾン族に渡し、そのままになっている。


 というあたりだと思います。

 この巻は物語の始まり――というワクワク感に満ちた一冊です。どうもセミッシラ島に異変があったらしく、アレスが人間界にやって来ています。愛と美の女神アフロディテも人間界にやってきており、オリュンポスも崩壊した可能性が語られます。

 ギリシア神話の伝説の生き物、ミノタウロスやペガサス、Damonなどもなぜか人間界に迷い込んでしまい、大騒ぎを引き起こす羽目になります。

 

 セミッシラとオリュンポスに訪れたピンチに調査を決意するダイアナですが、アフロディテやミノタウロス一行に振り回される姿がコミカルです。実際にセミッシラに何が起きたか、語られるのはVol. 2以降になりそうですので期待したいです。

 

 それにしても。

 ダイアナが困っているミノタウロス一行に「前からアメリカにいる別のミノタウロス」として、アメリカでシェフをしているというFerdinandを紹介する場面があります。もしかして、Titans Vol. 6 (感想はこちら)に一コマだけ登場していたこの人でしょうか。画像の右手奥です。クリックすると拡大します。 

 

Titans #31より。(Pencils: Clayton Henry, Brent Peeples, Inks: Clayton Henry, Dexter Vines, Colored by: Marcelo Maiolo, Written by: Dan Abnett, DC Comics)

  場所はJustice Leagueの基地になっているHall of Justiceの食堂です。アーティストのお遊びかな? と思っていたのですが、単なるお遊びじゃなかったのかもしれないですね。