現在少しずつ読んでいるRebirth期のJustice League of America(感想はこちら)では、もともとはヴィランだったらしいKiller Frost(キラーフロスト、ケイトリン・スノー)がバットマンにスカウトされてチームに入っています。彼女がバットマンに見いだされた理由がこのJustice League vs. Suicide Squadにあるらしいので読んでみました。
そうしたら、ロボ(Lobo)がJustice League of Americaに勧誘された理由もこの本にありました。Justice League of Americaは、この話と完全に繋がっていたんですね。
Writer: Tim Seeley, Rob Williams, Joshua Williamson
Artists: Jason Fabok, Various, Christian Duce Fernandez, Giuseppe Cafaro, Howard Porter, Robson Rocha, Fernando Pasarin, Jesús Merino, Tony S. Daniel, Riley Rossmo
Cover by: Jason Fabok
発行年 2017年
公式サイトはこちら。
アメリカ政府の影の高官、Amanda Waller(アマンダ・ウォラー)はSuicide Squadと呼ばれるチームを組織していた。チームのメンバーは収監された犯罪者からなるが、彼らは脳に爆弾を埋め込まれアマンダの指示を聞くよう強要されている。当然彼らの存在は秘密とされていた。しかし、ある事件の現場でヒーローチームJustice LeagueとSuicide Squadが出会ってしまう。アマンダはSuicide SquadにJustice Leagueを倒すか、死ぬかの二択を迫る。激突する両チームだったが、水面下では第三の勢力が活動を始めていたのだった――というのがあらすじです。
上のComixologyのページのあらすじにも書いてあるので書いてしまいますが、第三の勢力というのはMaxwell Lordが率いるチームです。Maxwell Lord、かつてはスーパーマンを操ったりしていましたが(感想はこちら)、この作品でもかなり大きなことを企んでいます。それに対峙するJustice LeagueとSuicide Squad、という風に物語は展開していきます。
作品全体としては、主役はアマンダ・ウォラーですね。彼女とMaxwell Lordという二人の怪物にヒーローたちやヴィランたちが振り回される姿が見どころです。
以下、ネタバレを含む感想です。主にキラーフロストについて。
***ここからネタバレ***
キラーフロストはかなりの大活躍を見せてくれました。そもそも冒頭から、キラーフロストがSuicide Squadに入るよう求められる(彼女自身に選択の余地があったかは疑問)ところから始まりますし、エピソードの一番の山場で彼女の力が必要になります。
彼女の過去も少し語られますが、事故により体質が変わり、他人のLife Force(って何だろう……生命力?)を吸収しないと生きられない状態になってしまったそうです。Justice League of Americaで彼女がAtomと一緒に治療法を探している病気とは、これのことなんでしょうか。
だとすると、能力を失って普通の人間に戻ることが彼女にとって一番望ましい未来なのかもしれません。
バットマンは何だかんだありつつヒーローに協力するキラーフロストの姿を見て「人間には第二のチャンスが与えられるべき」と思ったようですし、アマンダ・ウォラー率いるSuicide Squadにも一定の意義を認めたようです。というわけで、人は変化し得ることを身をもって示したキラーフロスト、ということになります。
スーパーマンやワンダーウーマンではなく不信感の塊のようなバットマンにさえも「人は変わる」ことを認めさせたのはやはり偉業のように思います。
Justice League of Americaで、彼女がどういう道をたどっていくことになるのか期待したいです。
……という今までの感想とはあまり関係のないことですが、ワンダーウーマン(ダイアナ)とハーレイ・クィンの関係も印象的でした。Harley's Little Black Book (感想はこちら)によると、ハーレイの幼少期のアイドルはワンダーウーマンだったようです。この作品ではワンダーウーマンの方もハーレイのこと嫌いじゃないでしょ……と思わせる場面がいくつかありました。困ったもんだ、とは思っていてもハーレイのことを根っからの悪人とは思っていなさそうなワンダーウーマンの描写にほのぼのできます。