2020年8月10日月曜日

Titans Hunt (2015-2016) 感想

  Rebirth期のTitans(感想はこちら)を買った順番に読んでいますが、New52期の終盤にこのシリーズの前日譚にあたる作品があったらしいということで読んでみました。

【基本情報】
Writer: Dan Abnett
Artists: Stephen Segovia, Geraldo Borges, Paulo Siqueira, Various, Jack Herbert
Cover by: Paulo Siqueira
発行年 2016年

公式サイトはこちら。



 かつてTitansというチームを結成していた若手ヒーローたちだったが、今はそのことをすっかり忘れていた。それは強大な敵が彼らの力を利用してこの世界に侵入しようとするのを防ぐため、自分たちがTitansであることを忘れ、世界中に散り散りになったためである。メンバーの一人、Omen (オーメン、リルス・クレイ)が自分たち自身の記憶を操作することで敵の侵攻を食い止めたのだった。

 しかし現在、彼らは夢の中でTitans時代のことを見るようになる。そしてかつての敵は再び侵攻しようとしていた。オーメンはかつてのTitansメンバーに危機を知らせ事態の打開を図ろうとするのだったが、すべては敵の思惑どおりだった……というのがあらすじになります。

 

 この作品でのTitansメンバーは10人です。多すぎるからか、Rebirth期Titansでは彼らの一部が登場しているという形になっていますね。

 記憶を失っている彼らが、らせん階段を上っていくように真相に近づいていく姿、そして若手チームならではの形で敵に対峙していく姿が見どころの作品です。

 Rebirth期Titans誌で「ロイ・ハーパー(アーセナル)はアルコール中毒だった」という描写が出てきますが、ロイのアルコール中毒はこの作品でも言及されています。治すためにかかっているカウンセラーがリルスだそうで。

 ロイはTitansの記憶が全くない時期にリルスをカウンセラーとして選んだことになりますが、果たして偶然なのか、運命の導きみたいなことだったのか……と想像が膨らみますね。

 

 さて。

 

 筆者はRebirth期Titansシリーズを、Donna Troy(ドナ・トロイ)を追いかけるために読んでいます。彼女に関してはNew52期Wonder Woman誌、Rebirth期Titans誌で設定が語られていますので以下、簡単にまとめます。

 

・New52期Wonder Woman誌

 ドナ・トロイはワンダーウーマンを倒す武器として土塊から作られた。ワンダーウーマンに敗北後、事実上の幽閉状態となる。しかしそこから逃げ出し、逃亡先で死亡し生まれ変わる。運命を司る存在となった。

 

・Rebirth期Titans誌

 ワンダーウーマンを倒す武器として作られた、という過去を記憶から消され、ワンダーウーマンに救出された孤児であるという記憶を与えられた。この記憶操作はワンダーウーマン(アマゾン族?)によるもので、彼女の人生を安定させるために行われた。人間界に来てTitansの一員として活躍するようになる。彼女の真の記憶と言えるものはTitans時代のもののみ。

 

 で、これらの設定の間をつなぐ今回の設定ではどうなっているかというと。

 

・Titans Hunt誌

 本人の認識ではセミッシラで育ち、神々の運命と呼べる存在である。何者かに作られた存在であることも認識しているようである。かつてWonder GirlとしてTeen Titansの一員だったが、そのことは忘れている。

 

 

 ええと。

 アマゾン族による記憶操作と、New52期、Rebirth期のリブートによる設定変更が混在して良く分からない状態になっているような……。筆者はNew52期以降、ドナがWonder Girlだった過去はなくなってしまっているものだと思っていたのですが、一応そういう過去も存在はしていたことになっているのでしょうか。

 また、この3つの設定を全部成立させるためにはTitans Huntの後にアマゾン族による記憶操作が行われたことになりますけど、一応友達ができて居場所らしきものも見つかりつつあるドナになんでこのタイミングで記憶操作をわざわざ……となってしまいますね。

 

 ……深く考えずにいるほうがいいような気がしてきました。