※このシリーズの各話感想はこちらをご覧ください。
2021年1月~2月、DCコミックス社は"Future State"というタイトルのコミックを多数出版しました。Future Stateという名前の通り、DCコミックス社のヒーローたち起き得る未来を描いています。どうも3月から始まるInfinite Frontierという時期のヒーローたちが、悪くするとFuture Stateのような未来にたどり着いてしまうというコンセプトらしいです。
Zatanna (ザターナ)たち、魔法を使う者たちの戦いを描いたJustice League Darkの物語も出版されました。が。雑誌のタイトルとしてはあくまでJustice Leagueで、Justice Leagueのお話が終わった後の20ページ分にJustice League Darkが掲載されています。3月以降もこの形態らしく (Back-up storyというみたいです)、Ram V氏のJustice League Darkが読めるのは嬉しいけれど雑誌のタイトルからは消えてしまっているのは寂しい……という状況です。せめて単行本はJustice League Darkというタイトルで出してほしいものです。
Writer: Ram V
Artist: Marcio Takara
Colorist: Marcelo Maiolo
Cover by: Dan Mora
発行年 2021年
公式サイトはこちら。
近未来。魔法の使い手たちには巨大な異変が起きていた。魔術師であるマーリンがすべての魔法を自分の手中に収めようとしていたのだ。ザターナはマーリンの手を逃れ、仲間と合流し何とか反撃にうって出ようとする。マーリンに対抗するための鍵となる悪魔エトリガンはディテクティブチンプに取り憑いているが、マーリンと直接戦う気はないようだった。ザターナはコンスタンティンと合流し、事態の打開を図ろうとするのだが……というのがあらすじです。
なにしろ、Rebirth期Justice League Dark (感想はこちら)後半のライターを務めたRam V氏の作品なので、ザターナやディテクティブチンプたちの雰囲気もこれまでと変わらずスムーズに読むことができます。3月以降、Justice League Darkでなぜマーリンがこんなことになったのかという物語がRam V氏により語られるようなので楽しみです。
以下、ネタバレを含む感想です。
***ここからネタバレ***
とても嬉しかったのは、Wonder Woman (ワンダーウーマン、ダイアナ)が1コマとはいえ登場したことでした。どうも、Future stateの世界ではダイアナはどこか遠いところにでも行ってしまっているようです。しかしザターナがマーリンに対峙し続けようという気持ちを持っていられるのはかつてダイアナと共に過ごした思い出があるから――というわけで、Rebirth期Justice League Darkの読者としてはストーリーがきちんと繋がっていることに喜びを感じました。
Justice League Darkというチームのコンセプトを思えば、ダイアナの存在は異質でした。Rebirth期のJustice League Darkが一段落ついたのでダイアナはもうこのチームには戻ってこないんだろうな、魔女ヘカテにかけられていた呪いも解けたことだし――と思っていたのですが、ダイアナの存在を「一時期だけの特殊なもの」にしないでくれるのかなと思うと、今後も楽しみです。
3月から始まるinfinite frontierで描かれるJustice League Darkの物語に、いずれダイアナが戻ってくることも淡く期待しながら待ちたいと思います。