2021年1月1日金曜日

Zatanna and the House of Secrets 感想

  子供向けに発売されているZatanna and the House of Secretsを読みました。夜に読むのにちょうどよい、ほのぼのとしたお話です。対象年齢は小学校低学年くらいでしょうか。

 

【基本情報】
Written by: Matthew Cody
Illustrator: Yoshi Yoshitani
発行年 2020年

公式サイトはこちら。




 13歳のザターナは、お父さんと二人暮らし。学校の友達関係がうまくいっていないこともあってハロウィーンを前にもやもやしていると、お父さんが死んだはずのお母さんと手紙のやり取りをしていたことが発覚! でも、怒ったザターナの行動がWitch Queenを家に招き寄せてしまう。ザターナはウサギの形の妖精、Pokusと一緒に冒険を始めるんだけど……というのがあらすじです。

 

 ザターナがお父さんと住んでいる家は、ザターナがこれまで気づかなかっただけで実はHouse of Secretsという魔法の家だったのだ……という展開になっています。お父さんはザターナには「ただの手品師」ということにしていたらしく、本当に魔法が使えるとはザターナは思っていなかったようです。ウサギのPokusも、ザターナの前では普通のウサギとしてふるまっていたのですがこの事件を解決するためにザターナに正体を明かして行動を始めます。

 

 というわけで、ある夜唐突にザターナの世界が変わるというお話なのですが、突然の事態に直面した感情豊かなザターナの姿がとてもいいです。

 魔法に関してはまだまだ未熟なので、魔法ではなく腕力や手先の器用さ(針金でカギを開けるとか)に頼っているところもあり微笑ましいですね。

 

 大人向けコミックではお父さんもお母さんも亡くなっていることの多いザターナですが、この作品では両親やPokusからの愛を一身に受けるザターナの姿を見ることができます。

 ザターナのお父さんのことを「過保護」というウサギのPokusですが、Pokusも十分過保護だよね……という状態になっています。

 

 無条件で愛してくれる大人が周りにいる子供は幸せだな、としみじみ思える一冊です。