2018年からのCatwoman誌のVol. 5を読みました。Ram VがメインライターになったCatwoman誌の第2巻です。前巻と比べて、物語にぐっとアクセルがかかった印象があります。
Writer: Ram V
Artists: Fernando Blanco, Evan Cagle, Kyle Hotz, Juan Ferreyra
Colorists: Jordie Bellaire, David Baron
Letterer: Tom Napolitano
Cover Art by: Jenny Frison
発行年 2021年
公式サイトはこちら。
ゴッサムの一角、Alleytownで着々と勢力を伸ばすCatwoman (キャットウーマン、セリーナ・カイル)。その分恨みを買い、彼女を狙う者も増える。一方で、薬物を売買している団体がポイズン・アイビーを利用しているようだと知った彼女はアイビー救出作戦を決行し、無事にアイビーを自分の保護下に置くのだった。その頃、暗殺者として雇われたFather Valleyはセリーナを殺すべく着々と準備をすすめているのだった……というのがあらすじです。
まず、なんと言ってもセリーナがアイビーとの間に友情を感じているようなのが嬉しかったポイントです。Gotham City Sirens (感想はこちら)やBatgirl and the Birds of Prey (感想はこちら)ではゴッサム女性ヴィラン同士で仲良くやっているように見えましたが、最近は絡みが少なかったので。
とはいえ、Heroes in Crisis (感想はこちら )で殺された後に復活し、Harley Quinn & Poison Ivy (感想はこちら)では分裂して見せたアイビーは何か精神面で問題を抱えているようで、今後もケアが必要そうに見えるのでセリーナには頑張ってもらいたいところです。
できればハーレイも入れて、3人でまた仲の良いところを見せてくれないかなと思うのですが。
そして、セリーナを付け狙う暗殺者として登場していたFather Valleyの素性が描かれたことでぐっと魅力的な敵になりました。
Father Valleyはセリーナ暗殺のために雇われたプロの暗殺者なのですが、何かにつけて聖書の言葉を引用したりと思わせぶりな割にやっていることは「セリーナが別の人間に殺されるのを防ぐ」だったりと、作者にとって都合のいいキャラなのでは? という印象が拭えませんでした。
この巻で明らかになったFather Valley (Karl Wasieman)は、孤児で聖デュマ教団でAzrael (アズラエル、Jean-Paul Valley)の父親に引き取られて育てられたというものです。しかしアズラエルの父親は実の息子を「殺人を犯させたくない」という理由で教団から逃がしたのに対し、孤児のKarl Wasiemanのことはしっかり殺し屋として育てたという、ひどい話になっています。
Karl Wasiemanは教団で殺されかけ、死を決意したものの生き延びたのでそこに神の意思を見出してフリーの暗殺者として生きることになったのでしたという展開になっています。
なるほど、これなら何かと聖書の詩句を引用するのも納得です。セリーナとの最終対決もどこかに用意されているのでしょうが、義理の兄弟にあたるアズラエルとの対決も見てみたいものです。といいますか、彼の人生にとってはそれこそが本筋のように思います。
ちなみに、この巻で一番印象的なコマがこちらでした。特にストーリーとは関係ないのですが、ゴッサム市の一角に日本人街があるんでしょうか。