2023年10月7日土曜日

Justice League of America (2006-2011): Team History -過渡期の暗さ-

 ※このシリーズの各巻感想はこちらです。

 2006年から連載されていたJustice League of AmericaのTeam Historyを読みました。Black Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)がJustice League of Americaの解散を決めたWhen Worlds Collide (感想はこちら) に続く、実質Vol. 7です。

 ブラックキャナリーが解散を宣言してからも残った有志メンバーで細々と続けていたJustice League of Americaですが、さらなる悲劇が襲い掛かります。

【基本情報】
Written by: James Robinson
Art by: Jonathan Glapion, Marlo Alquiza, Norm Rapmund, Rob Hunter, Scott Hanna, Walden Wong
Colorist: Andy Kubert, Rob Hunter, Adriana Melo, Mariah Benes, Peter Pantazis
Letterer: John J. Hill, Rob Leigh
発行年 2011年


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 Batman (バットマン、ブルース・ウェイン)が死に、Superman (スーパーマン)、Wonder Woman (ワンダーウーマン)がリーグを離れ、解散することになったJustice League of America。それでもVixen (ビクセン、マリ・マッケイブ)、Zatanna (ザターナ)、Dr. Light (ドクター・ライト、キミヨ・ホシ)らはほそぼそとリーグとしての活動を続けていた。そこにBlackest Nightで甦った死者たちが襲い掛かる。なんとか撃退したリーグだったが、かつての親しい家族や友人を倒したヒーローたちの疲弊は大きく、チームから離れていく。Justice League of AmericaはDr. Light, Red Tornadeのほかに新メンバーとしてBatman (バットマン、ディック・グレイソン)やDonna Troy (ドナ・トロイ)ら、かつてTitansとして活躍した若手メンバーを加えて組織の再生をはかるのだったが――というのがあらすじです。

 あらすじを書いていて改めて思いましたが、とにかく暗いのです。サイドストーリーでヒーロー、Green Arrow (グリーンアロー、オリバー・クィーン)が敵を殺したらしいという話もあり……。

 普段なら深刻な顔をしている大人ヒーローの横で明るく活動している若手たち、ディックやドナもそれぞれに様々な事情を抱えて深刻であり、チームがチームとして機能していません。働くお母さんでありながらリーグに残り続けている(しかしフルタイムのヒーロー活動はどう考えても厳しそうな)Dr. Lightや、壊れてしまって修理中のRed Tornadeと共に新時代のJustice League of Americaを作る――はずなのですが、どうにもうまくいきそうにありません。

 果たしてこのメンバー、ちゃんとチームとして機能するのかそれともまたメンバーを入れ替えて新しいチームをつくることになるのか――と心配になる一作でした。