2022年2月13日日曜日

Supergirl (2011-2015) Vol. 6: Crucible 感想 -カーラの居場所その2-

  ※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。

 New52期に連載されていたSupergirl誌のVol. 6を読みました。このシリーズの最終巻にあたる一冊ですが、ようやくSupergirl (スーパーガール、カーラ・ゾー・エル)に居場所と友達ができてカーラが落ち着きます。

 

【基本情報】
Written by: Mike Johnson, K. Perkins, Tony Bedard
Art by: Various, Emanuela Lupacchino, Jonboy Meyers, Karl M Moline
Cover by: Emanuela Lupacchino
発行年 2015年


公式サイトはこちら。



 これまでと同様、相変わらずとびとびに話が進む――と思いきや、Crucibleというスーパーパワーを持つ若者たちを教育する宇宙的組織にカーラが招待されてからは話がつながり、とても読みやすくなりました。

 相変わらず力のコントロールが十分でないカーラに、Crucibleは力のコントロールの仕方、チームでの戦い方を教えます。カーラ同様に様々な星から集められた友達 (Maxima, Comet, Tsavoなど)もでき、みんなで大変なことに対応します。

 

 Vol. 4(感想はこちら)で死んだと思われていたSuperboy (スーパーボーイ)が実は生きていたことも分かり、かつては彼のことをクローンだと敵視していたカーラも彼を守ろうとするのでした、と全体的に良い話になっています。

 

 

 これはシリーズ全体を通しての感想になりますが、ティーンエイジャーがいきなり他の星に来て一人で頑張るのは無理だと思うのですよ、やっぱり。いろんな衝突をして傷ついて行くので、読者としても読んでいて辛いものがあります。

 2005年からのSupergirl誌でも、オムニバス版第4巻 (感想はこちら)でLana Lang (ラナ・ラング、スーパーマンの幼馴染)がカーラの家族のように接してくれるようになってようやくカーラが落ち着いた印象があります。

 このシリーズでも、Vol. 5 (感想はこちら)でのRed Lanternにカーラが加入していた時期や今回のCrucibleに加入して以降はカーラが楽しそうに見えます。チームなり家族なり、そうした存在がいて基盤ができてから初めて落ち着いて生活ができ、読者としてものんびり読めるようになるのではないかな、と思うのでした。

 

 そう思うと、2016年からのSupergirl誌 (感想はこちら)では早々にDanvers夫妻がカーラの地球での養父母になったのは大きな前進なのでしょうね。

 

 残念なのは、このシリーズを通してずっと「カーラの地球での唯一の友人」という立場だったSiobhanがこの巻では登場しなかったことですね。カーラと喧嘩別れした後、お互いに「仲直りしたい」と思っていることは描かれていたわけですから、何とか再会させて欲しかったと思います。

 

 

 巻末には、未来世界を描いたイベント"Future's End"の物語が収録されています。カーラがサイボーグ化されてしまっているストーリーですが、後味は決して悪くありません。

 が、Crucibleで友達になったCometと恋人関係になっているのが納得のいかないところです。カーラとCometは友達だからいいと思うのですよ。