2022年2月5日土曜日

Suicide Squad (1987-1992) Vol. 6: The Phoenix Gambit 感想: 身体を張るアマンダ・ウォラー

 ※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。


 Suicide Squad のVol. 6を読みました。前巻はAmanda Waller (アマンダ・ウォラー)が投獄されるという衝撃の展開で幕を降ろしましたが、この巻はそれから一年度に始まります。

 

【基本情報】
Written by: David M. Devries, Kim Yale, John Ostrander
Art by: Mark Badger, Geof Isherwood, Luke McDonnell
Cover by: Geof Isherwood
発行年 2017年 (単行本の発行年。連載されていたのは1990年頃)


公式サイトはこちら。



 アマンダが投獄されてから一年後、彼女とスーサイド・スクワッドの力でないとどうしても解決できない問題が発生したことからアマンダは解放され、チームも再び集合します。

 もともとアマンダはこうなることを予期して逮捕されていたそうです。とはいえ、一年も(もしかするとそれ以上)拘束された状態で復権の時を待てるか? と想像してみるとアマンダの根性が分かりますね。雌伏の時を過ごす戦国武将のようです。

 

 一年もチームが解散していたわけですから、チームメンバーは新しい生活を始めています。Vixen (ビクセン、マリ・マッケイブ)も、モデル業に戻っています。一度はアマンダからの誘いを断った彼女ですが、Bronze Tiger (ブロンズタイガー、ベン・ターナー)が生きていると聞いて再びチームに戻る決意を固めます。

 話を読む限りビクセンはベンのことを死んでいると思っていたようなのですが、再会したからと言って元通りに関係が良くなるかというとそうでもないようです。

 前巻のラスト付近で、マインドコントロールされていた時代のことをまざまざと思い出してしまったベンはビクセンとの関係も元通りにすることができず――おそらく全般的に人との関係が悪いまま、当分過ごすことになりそうです。ビクセンも前途多難ですね。

 

 

 チームは無事に問題を解決し、アマンダも解放されたままになります。その後もいくつかの事件に取り組むのですが、割とアマンダが前線に出て身体を張っているのが印象的でした。本部にいるだけでは足りないと反省したのでしょうか。

 この巻のラスト付近ではアマンダがOrale (オラクル、バーバラ・ゴードン)を助け、彼女とも協力体制を確立するようになります。これまでもお互いの利害の一致する範囲では協力している様子でしたが、より確かな協力体制になったという感じでしょうか。

 

 アマンダの倫理観はどこかおかしいのですが、戦争が起きるのを止めたり無闇な殺人を止めたりと、そういうところの倫理観はあるので読者としてもあまり嫌な気持ちにならないで読み進めることができますね。

 

 なお、チーム内随一の可愛さを誇るCaptain Boomerang (キャプテン・ブーメラン)さんですが、この巻では彼がキャプテン・ブーメランになったエピソードを読むこともできます。本編では、凄腕狙撃手のDeadshod (デッドショット)と一緒に飛行機でアメリカに帰ってくるはずが遅刻して飛行機に登場できず、デッドショットのコスチュームと武器だけが先に飛行機に乗っていってしまってデッドショットから怒られ、頭を抱えるという姿を見せています(下図)。



 ちなみにこのデッドショットさんの荷物は行方不明になったままこの巻では出てきません。