2021年12月30日木曜日

Zatanna Special (1987) 感想: ザターナの周りの人たち

  1987年に発売されたZatanna Specialが電子版になったので、早速読んでみました。ザターナ主役の短編で、この一冊で完結するので読みやすいです。時期としてはSwamp Thing #50 (感想はこちら)でお父さんが亡くなった後の話になりますね。

 

【基本情報】
Writer: Gerry Conway
Artist: Gray Morrow
発行年 1987年


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 ザターナは魔術師のお父さんと、Homo Magiという強い魔力を持つ一族のお母さんの間に生まれた子供です。お母さんとは生まれてすぐ別れ、後にお母さんが死亡し、さらにこのお話の少し前にお父さんが死亡したという状態です。

 そんな中、ザターナと一番親しくしているのはマジックショーでマネージャーを務めるJeffrey Sloan (ジェフ)でした。ある時、死んだはずのお母さんからメッセージを受け取ったザターナはHomo Magiの街へと向かうのですが実はそこに敵が仕掛けた罠が潜んでいるのだった――というのがあらすじです。

 

 何と言っても、ジェフとの関係が見どころの一篇ですね。ジェフは魔法やスーパーパワーを持たない普通の人なのですが、ザターナとはお互いに「恋人になりたい」と思っているという関係です。とはいえ、ジェフから見たらザターナは「ある一線からは立ち入らせない」というタイプに見えている様子。

 スーパーヒーローと普通の人との恋愛関係って難しいですよね、どうしたって普通の人をピンチに晒す確率が高くなるわけだし――と思っていたら、ジェフは自ら志願してザターナの冒険に同行します。

 

 とはいえジェフにとっては初めての経験なので「来なければ良かった……」と後悔する描写もあり、非常に人間臭くていいキャラクターだなと思いました。

 

 最近はJustice League Darkチームのレギュラーメンバーとして活躍しているザターナですが、ヒーロー関係以外の友人関係や仕事関係が語られることはほぼなくなってしまったので、こうした短編をもっと読みたいなと思います。Zatanna by Paul Dini (感想はこちら)では、マジックショーの裏方担当の人も登場していて良かったのですよね。