2018年11月18日日曜日

「Zatanna BY PAUL DINI」感想(※ネタバレあり)

 「Zatanna BY PAUL DINI」は現時点で一番手軽に買えるザターナ主役の短編集だと思います。単行本は2017年出版ですが、2010年に連載されていた作品が中心になっています。

公式サイトはこちら


【基本情報】
Writer: Derek Fridolfs, Adam Beechen, Paul Dini
Artist: Chad Hardin, Stephane Roux, Various, Rick Mays, Jamal Igle, Cliff Chiang, Jesús Saíz
Cover: Adam Hughes
発行年 2017年

表紙は「これぞザターナ」というイメージの、マジシャンスタイルのザターナです。





Justice League DarkやBombshellsと違い、あくまでザターナ中心なので
・日頃の暮らし
・働き方
・家族関係
・マジシャン業を支えてくれるチームのメンバーとのやり取り
などが描かれているのがポイント高いです。これまでは事件の解決に奔走する姿を見ていることが多かったのですが、ちゃんと社会生活を送っているんだなあと思いました。

いくつもの短編があってそれぞれにテイストが違うのでお好みの作品もきっとあると思います。基本的なストーリーはオカルト的な怪事件を解決する話が多いです。その中でも筆者が好きなのはザターナのお父さんが出てくるザターナの子供時代話や、いとこのザッカリー (Zachary Zatara) が出てくる話になります。家族関係に焦点が当たった話を読むと、そのキャラクターのことをより深く知った気分になれますね。


以下、ネタバレを含む感想を。





ザターナのお父さんについては他の本でもたびたび言及されるのですが、ザッカリーについてはこの本で初めて知ったのでこんなに可愛い親戚がいたのかと驚きました。
ザターナほど有名ではないもののマジシャンで、子供の頃ザターナにマジックを教えてもらい、「ザターナは世界を守るために忙しくて僕の舞台を見に来てくれない」とむくれているのが大変可愛らしいです。ザターナとの年齢差は3~5歳くらいなんでしょうか。年下です。

そうかと思えば、ザターナお姉ちゃんのピンチに颯爽と駆けつける格好良さ。
無事ザターナを助けた後には、(※訳は適当です)

「ありがとう、ザック。全部あなたのおかげ」
「え、家族ってこのためにいるんだろ?」


という会話になります。頼もしいですね。そうかと思えば、お姉ちゃんのくどくどとした忠告とお説教を聞かずに女の子と遊んであっさり魔性のものに付け込まれる脇の甘さ(まあ、ザターナのお説教タイムも長すぎる……)。

ザターナはBombshellsでRavenと、Justice League DarkでTim Hunterという年下の子とそれぞれ絡んでいるのですが、彼らとの場合年が結構離れているので大人として子供を見るという感じになっています。Bombshellsでは完全にお母さんでした。
一方、ザッカリーと絡むときは完全に同じ目線で、かつお姉ちゃん風を吹かして接しています。口喧嘩をしながらも仲の良い姉弟関係(いとこですが)を見せるザターナも大変いいです。

ザッカリーにはぜひ今後もザターナの話に登場して絡んでほしいものです。


※この記事は前のブログに投稿していたものを一部修正したものです。