2021年12月15日水曜日

Blackest Night (2009) 感想

  Hawkgirl (ホークガール、ケンドラ・ソーンダーズ)にとって重要なストーリーらしいということでBlackest Nightを読んでみました。宇宙の警察的な組織、Green Lantern (グリーンランタン)たちを中心に、死を司るネクロンという敵と戦います。

 

 テーマが死と生ということで、いろいろなキャラクターが死んだり蘇ったりする作品でした。

 

【基本情報】
Written by: Geoff Johns
Colorist: Doug Mahnke, Ed Benes, Christian Alamy, Rob Hunter, Oclair Albert, Ivan Reis, Alex Sinclair, Rodolfo Migliari, Mauro Cascioli, Ethan Van Sciver
Cover Color by: WildStorm FX, Hi-Fi , Alex Sinclair, Mauro Cascioli
Inker: Julio Ferreira, Rob Hunter, Joe Prado, Oclair Albert, Ivan Reis
Letterer: DC Lettering
Penciller: Ivan Reis
発行年 2011年 (単行本の発行年。連載されていたのは2009年頃)


公式サイトはこちら。



 死を司るネクロンが、復活させた死者たちを操り世界を闇に戻そうとする。対抗できるのはかつて世界に生をもたらした白い光のみである。グリーンランタンを中心とする7色のランタンたちは協力し、白い光を生み出そうとするのだった。戦いの舞台、地球ではヒーローたちも一時的に様々な色のランタンとなり死に対抗しようとするのだったが――というのがあらすじです。

 

 7色のランタンたちが勢ぞろいしたのを見るのは初めてだったのですが、世界の危機ともなるとみんな協力するのだな――と思いきや、貪欲を司るOrange Lanternたちが足並みを乱す乱す、という感じでした。このくらいの方が自由な感じでいいのかもしれませんが、みんなが頑張っている中で「自分は何をもらえるか」ばかりに気を取られすぎです。緊張したストーリーの中で少し笑いを提供してくれました。

 

 さて、肝心のホークガールですが。割と早々に死んでしまうので、主にゾンビとしてヒーローたちと戦っています。印象的だったのは死ぬ前のホークガールとホークマンの会話でした。どうもホークマンは「ケンドラにあまり愛されていない」と思っているようなのですが、ホークガールはホークマンのことを愛していると思っている様子です。

 

 JSA (感想はこちら)で初めて会ったときの二人は、ホークマンがホークガールにラブラブなのに対してホークガールの方は「何この人」といった感じでしたから、だいぶ関係性が変わった……というか、なんかタイミングの合わない二人なのでしょうか。

 

 ネクロンを倒したことで死んだヒーローたちの多くが復活するのですが、ホークガールに関しては! なんと! ケンドラではなく、先代のホークガールであるShieraが復活するということになりました。まあ、シエラにはケンドラの記憶もあるということでケンドラが死んだわけではない――ということに物語の中ではなっていそうなのですが、とはいえケンドラの個性はなくなってしまいました。

 ホークマンから見たら、何かとタイミングの合わないケンドラよりもシエラの方が都合がいいよね、というのは少し意地の悪い感想かもしれません。

 

 ケンドラの両親はすでに亡くなっていてお墓がありますから、その隣にケンドラのお墓も作ってあげてほしいなと思うのでした。そういえばJSA誌に登場していたケンドラの祖父、Speed Saundersさんはこの頃どうなっているのでしょうか……。自分よりも先に死んだ子供が遺したたった一人の孫に先立たれたくはないですよねえ。

 


 全体を通して一番印象的だった女性ヒーローは、Mera (メラ)でした。この頃Aquaman (アクアマン、アーサー・カリー)はすでに死亡しているらしく、またこの本の冒頭でアトランティス人であるGarthも殺され、メラは怒りに包まれながら生き残ったヒーローたちと共に戦うことになります。ということで物語の後半、怒りを司るRed Lanternになるのですが、これが格好いいのです。メラの戦いを支える原動力は「怒り」という感情が大きいのだなと納得できる展開になっています。

 

 また、このBlackest Nightに関連したWonder Woman (ワンダーウーマン、ダイアナ)のエピソードがWonder Woman by Greg Rucka Vol. 3 (感想はこちら)に収録されています。メラはこちらでもダイアナの友達として活躍しているので、こちらの本もおすすめです。