2021年10月20日水曜日

Justice League of America (2006-2011) Vol. 2: The Lightning Saga

 ※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。

 2006年からスタートしたシリーズ、Justice League of AmericaのVol. 2を読みました。Vol. 1からの続きのはずですが、Vol. 1ではチームに正式加入していなかったGeo-Force (ジオフォース、ブリオン・マルコフ)が正規メンバーになっているようなので途中で収録されていないエピソードがあるのかもしれません。

 

【基本情報】
Written by: Brad Meltzer, Geoff Johns
Inker: Phil Jimenez, Tony Harris, Mariah Benes, Ruy Jose, Gene Ha, Batt , Dexter Vines, Dick Giordano, Kevin Nowlan, Paul Neary, Andy Lanning, Sandra Hope, Ed Benes, Jesse Delperdang, Fernando Pasarin, J.H. Williams, III, Eric Wight, Ethan Van Sciver, Alex Ross, George Pérez, Kevin Maguire
Introduction: Patton Oswalt
Penciller: Tony Harris, Gene Ha, Dick Giordano, Dale Eaglesham, J. Scott Campbell, Ed Benes, Andy Kubert, Fernando Pasarin, Shane Davis, Luke McDonnell, Dan Jurgens, J.H. Williams, III, Eric Wight, Ethan Van Sciver, Alex Ross, Howard Porter, George Pérez, Rags Morales, Kevin Maguire, Phil Jimenez
発行年 2013年(単行本の発行年。連載されていたのは2007年)


公式サイトはこちら。


 この巻には、

  • 未来からやってきたLegion of Super-Heroesのメンバーに対処するため、Justice League of America (JLA)とJustice Society of Americaが協力する話
  • Vixen (ビクセン、マリ・マッケイブ)とRed Arrow (レッドアロー、ロイ・ハーパー)が崩れたビルに閉じ込められる話
  • JLAの日々の業務を描きながら、各キャラクターの特徴や弱みを解説する話
  • スーパーマン/バットマン/ワンダーウーマンのこれまでの歩みを振り返る話


 という、主に4つのエピソードが収録されています。最初のLegion of Super-Heroesの話のラストでは、これまで不在だったらしいFlash (フラッシュ、ウォリー・ウエスト)が帰還します。なんでもInfinite Crisis(感想はこちら)の後から別の世界に飛ばされていたらしいのですが、2011-2016年のNew52期にも彼は不在だったらしいですので、なんだかいつも大変そうだなあ、と思わずにはいられません。

 

 また、あちこちにHawkgirl (ホークガール、ケンドラ・ソーンダーズ)とロイ・ハーパーの話が散りばめられています。Vol. 1でロイがケンドラに一目ぼれするところが描かれていましたが、順調にお付き合いに発展したようです。

 が、周りのみんなが二人のことを心配しています。やはりホークガールはホークマンとの結びつきが強すぎる存在なので、やがてロイが振られるのではないか――とみんな思っているようです。なかでも、チームの議長であるBlack Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)はロイのことを弟のように思っているため、「ロイを傷つけないで」とケンドラに直接警告します。

 筆者としては、ケンドラにはケンドラ個人としての人生を歩んでいってほしい、ホークガールの運命としてではなくて――と思っているので、ロイと幸せになってくれると嬉しいのですがどうも暗雲が垂れこめているようで不安です。

 

 

 さて、この巻で一番印象的なエピソードはビクセンとレッドアローの二人が崩れたビルの中に閉じ込められる話でした。宇宙人が攻めてきて大きな戦いになる、みたいな話ですと完全なファンタジーとして読めるのですが、こういう実際にありそうな話は読んでいて怖いですね。

 このエピソードの絵柄も、息の詰まる悪夢を描いているようで非常にぴったりだと思います。

 で、このエピソードで明らかになるのはビクセンの能力がVol. 1の時点ですでに異常になっていたこと、なのですが。

 えーと、リーグの皆さんの前でそのことを告白するのが実質Vol. 5のSecond Coming (感想はこちら)……ということは、4巻分も延々秘密にしてたのか! それはチームの議長のブラックキャナリーも

「友達だと思ってたけど、力に異常が起きたことを話してくれるくらいの長い付き合いじゃなかったみたいね」と嫌味をVol. 5で言うわ! という気持ちになりました。

 ブラックキャナリーが議長でなければ、ビクセンもさっさと彼女に話していたんじゃないかとも思うんですけどね。