※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。
表紙にZatanna (ザターナ)が格好良く載っているJustice League of Americaを読みました。ザターナをはじめ、Vixen (ビクセン、マリ・マッケイブ)、Black Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)、Hawkgirl (ホークガール、ケンドラ・ソーンダーズ)などの女性ヒーローの気になる描写がたくさんある巻でした。
なおTPB (単行本)にナンバリングがないのですが、この巻は実質的にこのシリーズのVol. 5にあたります。
Written by: Dwayne McDuffie
Inker: Ian Churchill, Ed Benes, Derek Fridolfs, Rob Stull, Prentis Rollins, Rodney Ramos, Christian Alamy, Darick Robertson
Layout: Rod Reis
Penciller: Ian Churchill, Ed Benes, Allan Goldman, Shane Davis, Darick Robertson, Doug Mahnke
発行年 2009年
公式サイトはこちら。
世界の平和を守るため邁進するスーパーヒーローチーム、Justice League of America。そのメンバーであるビクセンは自分の能力が「動物の力を得て活動する」から「近くのスーパーヒーローのパワーを吸収する」というものに変わったことに気づいていた。しばらくリーグのメンバーにそのことを隠していたが、やがて決心を固めチームメンバーにそのことを明かす。リーグの議長を務めていたブラックキャナリーは規定に従いビクセンのメンバーとしての資格をはく奪することを決めるが、同時に彼女の能力を元に戻すためザターナを呼ぶ。ザターナはビクセンの能力について意外な事実を明らかにするのだった……というのがあらすじです。
上記あらすじはビクセンの話メインになっていますが、他のエピソードもちりばめられています。
ザターナはリーグの正規メンバーなのかどうかちょっと分からないところがありますが、ブラックキャナリーに呼ばれて嬉々として能力を使っているところが可愛らしかったです。ビクセン以外のエピソードでもいいところでうまく魔法を使っていましたし、表紙通りザターナの格好良さが印象的な一冊でした。
また、ブラックキャナリーもリーグの議長として毅然としたところを見せると同時に、相変わらず友情に篤いところもみせてくれます。
意外だったのがホークガールで、この頃はArsenal (アーセナル)として活躍するロイ・ハーパーとつき合っていた模様です。ケンドラがホークマン以外の人とつき合うのはJustice League (2018-)のシリーズ (感想はこちら)が初めてというわけじゃなかったんだ……と読んでいたら、どうもこの時ホークマンは死んでいるか姿を消しているかしているようです。この頃ケンドラには娘もいるようなんですが、父親は誰なんでしょうか。
さて、以下はネタバレを含む感想です。主にビクセンについて。
***ここからネタバレ***
ビクセンはメインストーリーを支えるだけあって、いろいろな面が描かれていました。どうも昔からの付き合いらしい格闘家のBronze Tiger(ブロンズタイガー)に心配事を相談したり、「リーグは今の私にとって一番大切」と言ったりと、戦うだけではない姿が見えます。
結局彼女の能力の異変は、西アフリカの物語の神アナンシが危機を伝え、彼女を試すために行ったことだった――というのが最終的に明らかになるのですが。物語の神様だけあって、アナンシが見せてくれる「ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカのメンバーが異なる人生を送ったら」というストーリーが面白いのです。「ビクセンを試すというより、お気に入りの話を誰かに聞いてほしくてこんなことをしたのでは……」という気持ちになりました。