2021年6月30日水曜日

Supergirl (2005-2011) Vol. 9: Bizarrogirl: 感想

 ※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。

 

 Supergirlの第9巻を読みました。2005年から始まったSupergirl (スーパーガール、カーラ・ゾー・エル)の活躍がついにフィナーレを迎えます。

 

【基本情報】
Written by: Sterling Gates
Colorist: Jamal Igle, James Devlin, Brad Anderson, Nei Ruffino, Jamie Grant, Blond, Shane Davis, Amy Reeder, Amanda Conner, Richard Friend
Cover Color by: Guy Major, David Baron, Paul Mounts
Inker: Bernard Chang, Marc Deering, Jonathan Sibal, Robin Riggs, Richard Friend, John Dell, Marco Rudy, Matt Camp
Introduction: Sterling Gates
Letterer: Travis Lanham, DC Lettering, Jared K Fletcher
Penciller: Jamal Igle, Marco Rudy, Matt Camp, Bernard Chang
発行年 2015年

公式サイトはこちら。

 


 この巻には、

  •  地球にやってきたBizarrogirlと、Bizarroの星のために戦う話
  •  30世紀でLegion of Superheroesと共に戦う話
  •  Cat Grantと共に子供の誘拐事件を捜査する話

 

 が収録されています。この巻に収録されている以前のエピソードで、Superman (スーパーマン、クラーク・ケント)の幼馴染にしてデイリープラネット社員でもあるLana Lang (ラナ・ラング)と親しくなり彼女の姪ということにして人間社会に溶け込むことに成功したカーラですが、この巻の直前にラナとは仲たがいしていました。

 

 この2005年のシリーズでは居場所が見つからず迷走していたスーパーガールでしたが、ラナの家族になったことでようやく落ち着いた感じがしていたので前巻を読んだ時には心配していました。が、この巻ではラナと仲直りしたようです。

 これまで、カーラの故郷であるクリプトン星の人々と地球との間に戦争が起きていたのでいろいろと大変なことがあったためカーラはスーパーヒーローであることをやめて一人の人間として生きようとします。しかしそこに起きた大事件を解決するため行動するようラナに促され……というのが冒頭部分のあらすじになります。

 

 Bizarro(スーパーマンのクローン)が作り出した世界に起きた危機を、Bizarrogirl (ビザロのスーパーガール版)と共に助けに行くことで自分のやるべきことを見出していくカーラの姿が印象的でした。

 

 ビザロはRebirth期のRed Hood and the Outlaws(感想はこちら)に登場するビザロとは別人と言う設定なのかな……と思うのですが、いずれにしてもとても優しく、Bizarrogirlとの関係もSupermanとSupergirlに比べてだいぶ素直です。ビザロ達は何もカーラにアドバイスをするわけではないのですが、ビザロ達のことを見ていて自分のしたいことを見つめなおすカーラの姿はいいな、と思いました。

 

 シリーズを通して憎まれ役ポジションだったCat Grantも、その背景が明かされると「あなたも大変だったんだね」と言いたくなる気持ちに。

 クリプトン星との戦いでSuperwomanとしての力を持つスーツを身に着け様々な悪事を行ったLucy Lane (ルーシー・レーン、スーパーマンの妻であるロイス・レーンの妹)とロイスとの関係にも決着がつき――というかロイスが決別することを告げ――家族それぞれが、落ち着くところに落ち着いたという感想になりました。ロイスとルーシーの関係は悲劇的ですしどうにかできなかったのかと思うものの、あれだけの大事件ではやむを得ないように思います。