2021年6月26日土曜日

Red Hood and the Outlaws (2011-2015) Vol.6-Vol. 7 感想

 ※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。


 2011年からのNew52期に連載されていたRed Hood and the Outlawsの6巻と7巻を読みました。この2冊ではStarfire (スターファイヤー、コリアンダー)がクローズアップされています。


【基本情報】
Writer: Scott Lobdell
Art by: Various, Geraldo Borges, RB Silva
Cover by: Ed Benes, Giuseppe Camuncoli
発行年 2015-2016年

公式サイトはこちら (Vol. 6)。



 アウトローズはRed Hood (レッドフード、ジェイソン・トッド)とArsenal(アーセナル、ロイ・ハーパー)とスターファイヤーの三人のチームですが、Vol. 6の冒頭ではジェイソンとスタファイヤーの過去が改めて語られます。アーセナルは……と思うところですが、Vol. 7に彼の過去に触れたエピソードがあります。

 

 スターファイヤーはもともとタマラン星のお姫様ですが、Citadelという別の星から攻撃を受け、平和を取り戻すためにタマラン星からCitadelに奴隷として引き渡されたという過去があります。後に逃げ出すのですが、逃げ出した後も奴隷として囚われていた人たちを助けてまわっていたようです。

 

 いうなれば奴隷商人や奴隷制度を維持しようとする者たちはスターファイヤーにとって絶対に許せない敵です。そんな敵が地球にもやって来ているというのを察したスターファイヤーが暴走し、それを追いかける二人――というのがVol. 6-7の大まかなあらすじになっています。

 

 スターファイヤーのトラウマを刺激する敵だけに、いつもよりなお一層感情的になって活躍する彼女の姿が見られます。

 

 以下、ネタバレを含む感想です。

 

 地球にやって来ていた敵、Helspotにはスターファイヤーの姉であるBlackfire (ブラックファイヤー)もついてきていました。読者としては「またこの姉は何か悪さをしているのか!」と思ってしまうところですが……。

 なんと、この作品のBlackfireは良いお姉さんでした。Helspotについてきたのも、あくまでどこかで裏切るつもりだったようです。

 

 昔のThe New Titans (感想はこちら)を読むと、Blackfire =悪役です。もはやすがすがしささえ感じるくらいの100%の悪役なのですが、New52期に伴う設定変更で「やむをえずスターファイヤーをCitadelに引き渡したけれど本音では妹を愛しているお姉さん」になった模様です。

 

 スターファイヤーは基本的には地球での活動ですが、いざとなればタマラン星に帰っても姉と戦わなくて住みそうですから、スターファイヤーにとっても非常にいい設定の変更だったのかなと言う気がします。

 

 最後、怪我をしたブラックファイヤーをスターファイヤーが星に送っていくためにチームは解散――ということになるのですが、正直言って解散する必然性はあまり感じません。スターファイヤーが戻ってきたらまた3人でチームになればいいんじゃないの、と思いますし。いつかまた何かの事件で合流する3人をみたいな、と思うのでした。