2021年6月13日日曜日

Detective Comics (1937-2011) #747 感想

 ※このシリーズの各話感想はこちらをご覧ください。

 最近、ゴッサム・セントラルの邦訳(Amazonのページはこちら。原書を読んだ感想はこちら。)が発売されたこともあり、TwitterでRenee Montoya (レニー・モントーヤ)の名前が話題に上ることも多くなった気がします。

 Twitterを見ていたらこのDetective Comics #747はレニーが主役ということを知ったので読んでみました。

 

【基本情報】
Writers: Jordan Gorfinkel, Greg Rucka
Pencils: Jeff Johnson, William Rosado
Inks: Steve Mitchell, Aaron Sowd
Colored by: WildStorm FX, Noelle Giddings
Cover by: Dave Johnson
発行年 2000年

Amazonのページはこちら。購入及び数ページ分の試し読みができます。

表紙は全体的に暗めの配色の中、レニーが抱えた花束とバットマンのマークの黄色が鮮やかに浮き上がって印象に残ります。


 アメリカ政府に見放され無政府状態となったゴッサムがアメリカに復帰してからしばらくのこと。ゴッサム市警刑事、レニー・モントーヤは28歳の誕生日を迎える。しかし父親からは結婚を催促され、新しいパートナーとはうまくいかず――と、あまり良い日ではなかった。そんなレニーのもとに、差出人不明の黄色のチューリップの花かごが贈られてくる。レニーは差出人の捜査に乗り出すのだったが、それは収監されているTwo-Faceだと分かるのだった――というのがあらすじです。

 

 レニーはレズビアンですが、この頃周りの人たちはレニーのことをレズビアンだとは知りません。ということでレニーの父も結婚を催促してきます。仕事面でもいろいろうまくいかないことが多い模様です。

 Two-Faceは無政府状態となったゴッサム(Batman: No Man's Land (感想はこちら))でレニーと友情を育みましたが、その後レニーを自分のものにしようと強引な手に出たためレニーには嫌われています。が、レニーへの愛情は抱いている様子です。

 

 この物語の後、Gotham Centralではレニーがレズビアンだと知ったTwo-Faceがレニーの性的志向を公に暴露するという暴挙に出た上レニーを誘拐し、決定的にレニーとの関係が破綻します。それを知って今回のこの話を読んでいると、「もしかしたら友達としての関係は続けられたかもしれないのにね」という悲しい気持ちになりました。

 レニーがレズビアンである以上、Two-Faceの思いがかなえられることはないわけですし。

 レニーはおそらく、一度罪を犯したとしても反省して更生しようとすれば応援してくれるようなタイプの刑事でしょうから、彼がレニーと恋愛関係になることをきっぱりと諦めていれば誰も不幸にならずにすんだのに――と思いました。