2020年12月20日日曜日

Starfire (2015-2016) Vol. 1-Vol. 2感想

  Starfire (スターファイヤー、コリアンダー)と言えば若手ヒーローチームTeen Titansでの活躍が多いヒーローですが、そんな彼女のソロ誌があるので読んでみました。連載時期としてはRebirth期の直前にあたります。

 

【基本情報】
Written by: Jimmy Palmiotti, Amanda Conner
Art by: Ray McCarthy, Emanuela Lupacchino, Elsa Charretier
Cover by: Amanda Conner
発行年 2016-2017年

公式サイトはこちら。



 地球に来て以来、Outlawsというチームのメンバーとしてヒーロー活動を行っていたスターファイヤー(コリアンダー)。彼女は地球で独り立ちするため、チームを離れ独り暮らしを始めようとする。地球に来た異星人の先輩であるSupreman (スーパーマン、カル・エル)のアドバイスを受けフロリダ州キーウエスト島に移り住んだ彼女は、様々な勘違いをしながらも楽しく暮らすのだった――というのがあらすじです。

 

 読んでいて「フロリダっていいところだな」と思える作品です。気候は温暖のようですし、治安もそれほど悪くはないようですし。何しろ、スターファイヤーが最初に警察を訪れ郡保安官に住む場所を探しているという事情を話したところ、保安官が一日かけて家探しなどに付き合ってくれるという展開になります。もちろんこの島でも事件は起きるのですが、保安官がこれほどのんびりしていられるのはやはり治安が良いのでしょう。

 島の人たちも、基本的にはいい人でコリアンダーが巻き起こす様々なことにも驚きながらも付き合ってくれます。というわけで、フロリダ州の移住案内かなんかにこのコミックをセットでつけておくと移住希望者が増えそう、と思いました(よけいなお世話ですね)。

 

 登場する人物の中で印象的だったのは先ほど触れた郡保安官、Sheriff Gomezとレストランのウェイトレス、Atleeという二人の女性でした。

 Atleeは地下の世界からやって来たスーパーヒーローで、その正体は隠しながら地上の世界の人間たちに環境を大切にするよう伝える――という使命を遂行しているようです。しかし島に怪物が現れたことから、スターファイヤーと一緒に戦います。顔も何も隠していないので島の人たちに正体がバレバレ――と思いきや、スターファイヤーの方がとにかく目立つので彼女のことはあんまり気づかれなかった模様です。Gomez保安官は気づきましたが。

 

 物語は三人の女性が地下世界へバカンスに行く――はずが思わぬ展開を迎えます。そしてそこで、スターファイヤーは一つの転機を迎えることになります。

 とても楽しい物語であり、同時に「いつまでも子供ではいられない」というほろ苦さを感じるシリーズです。