※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。
1980年代に連載されていたThe New Teen TitansのVol. 1を読みました。Teen Titansというチーム自体はこの作品の前から存在していたのですが、一度解散していたようでまた改めてチーム結成という流れになっています。
Raven (レイブン)、Starfire (スターファイアー、Koriand'r)、Cyborg (サイボーグ、Victor Stone)の三人はこの巻に収録されているエピソードが初登場作品のようです。Teen Titansの新しい基礎を作った作品なのかもしれないですね。
Written by: George Pérez, Marv Wolfman
Art by: George Pérez
Cover by: Dick Giordano, George Pérez
発行年 2014年 (連載されていたのは1980年頃)
公式サイトはこちら。
バットマンの相棒として活躍していたRobin (ロビン、ディック・グレイソン)は若手ヒーローチームTeen Titansを解散し、プライベートでは大学を中退していた。大学をやめたことでバットマンともぎくしゃくしていた彼の前にある日謎の少女Raven (レイブン)が現れる。
レイブンは改めてTeen Titansを結成するよう告げ、そのメンバーとしてロビンのほかに
Changeling (チェンジリング、ガーフィールド・ローガン。かつてはビーストボーイと名乗っていた)
Kid Flash (キッドフラッシュ、ウォリー・ウェスト)
Cyborg (サイボーグ、ヴィクター・ストーン)
Starfire (スターファイアー、コリアンダー)
を指名する。
実はレイブンがTeen Titansの再結成を指示したのは脅威がすぐそこに迫っているからなのであった――というのがあらすじです。
筆者がこれまで読んできたTeen Titans誌では大体バットマンの三代目相棒、ティム・ドレイクが中心メンバーになっていましたが、この作品では初代相棒のディック・グレイソンがロビンとしてチームを引っ張っています。
最近の作品ではNightwing (ナイトウィング)として独り立ちし、バットマンとも適切な距離感を保っているように見える彼ですが、1980年当時は大学に行かせたいバットマンといろいろ揉めていたらしくそんな様子も微笑ましく読むことができました。
この一冊だけでサイボーグやスターファイアーの設定も読むことができ、特にサイボーグとそのお父さんとの関係は大変繊細に描かれていて読みごたえがあります。
そして、物語の中で一番力を入れて描かれているのがレイブンのエピソードです。
そもそもレイブンがTeen Titansの結成を指示したのは父である悪魔トライゴンが地球に迫っているから――なのですが、レイブンは急ぐあまりにいろいろ失敗をしています。
もともとはJustice Leagueに助けを求めたものの、ザターナに「レイブンの中に邪悪なものがある」と言われ聞き入れてもらえなかったということが色々と話をややこしくしたのでこれは可哀想なのですが……。ザターナももう少し話を聞いてあげましょう。
ということで、代わりにTeen Titansを結成しようとするレイブンですが速やかにチームをつくるためにウォリーの心を操って自分のことを信頼させるという大胆な手段に出ています。チーム結成後も、戦闘となると姿を消すことが多いのでいまいちメンバーからの信頼を得られないレイブン。
トライゴンの襲来というピンチを前にしてTeen Titansは本当のチームになれるのか、というのが見どころの一冊です。