2020年4月2日木曜日

Batman and the Outsiders #1-#10 感想

 Batman and the Outsidersの#1-#10を読みました。この作品ですが、ComixologyではOutsiders (2007-2011)というシリーズ名になっています。
 
【基本情報】
Writers: Chuck Dixon
Pencillers: Julian Lopez, Carlos Rodriguez, Ryan Benjamin
Inkers: Bit, Saleem Crawford
Cover by: Doug Braithwaite, Ryan Sook, Eric Battle, Jim Calafiore
発行年 2007年

公式サイトはこちら。



 作品はできるだけ単行本で読みたいと思っているので、一話ずつばらばらに購入しなければならない作品はあまり読まないのですが、どうしてこのシリーズを読んだかというと、この5話の表紙です。


Cover by: Doug Braithwaite

 この、Batgirl (バットガール、カサンドラ・ケイン)のことを温かく見つめるGreen Arrow (グリーンアロー、オリバー・クィーン)! カサンドラは幼少期に辛い思いをしているだけに、ヒーローになってからは周りの大人たちから思い切りかわいがってもらうといいと筆者は思っているのですが、これはもしや、カサンドラとオリバーの温かい交流が描かれているのでは! オリバーの父性も出ているのでは! と思って、とりあえず1話から10話まで買って読んでみたのですが……。
 
 ……うん。5話の表紙で、お互いバタラングと矢を背後に隠し持っていることに気づくべきでした。父と娘のような交流ではなかったです。
 
 とはいえ、お話としては面白かったので感想を書いてみます。
 
 1話から10話までのOutsidersのメンバーは、初期のOutsidersのメンバーとは少し入れ替わっていて、おおむね次のようになっています。
 
 ・Katana (Tatsu Yamashiro)
 Outsiders初期からのメンバー。魔剣Soultakerを武器として戦う。
 
 ・Metamorpho (Rex Mason)
 Outsiders初期からのメンバー。様々な形、材質に身体を変化させることができる。
 
 ・Geo-Force (Brion Markov)
 Outsiders初期からのメンバー。重力を操って戦う。東欧の国Markoviaの王でもある。
 
 ・Batgirl (Cassandra Cain)
 バットマンの指示を受け、本作からOutsidersに加入。少し前にヒーローたちを裏切っていた時期がある(感想はこちら)。
 
 ・Green Arrow (Oliver Queen)
 バットマンに依頼され本作からOutsidersに加入。弓矢を操って戦う。
 
 ・Grace Choi
 セミッシラ島を離れて暮らしていたBana-Mighdallのアマゾン族の一員だが、幼少期から人間界で育っている。彼女のことはAmazons Attack! (感想はこちら)でも語られていた。Outsiders初期のメンバーではないが、少し前のシリーズからメンバーになっていたようである。Thunderの恋人。
 
 ・Thunder (Anissa Pierce)
 Outsiders初期メンバーだったBlack Lightningの娘。少し前のシリーズからOutsidersのメンバーになっていた。Grace Choiの恋人であり、一緒に暮らしている。本作ではバットマンから戦力外であるといわれ、忸怩たる思いで皆の戦いを見ている。
 
 
 という面々です。
 上に書いたように、バットガールとグリーンアローの関係はあまり思い描いたものではなかったのですが、Grace ChoiとThunderの二人の関係、さらにこの二人とバットガールとの関係が印象的でした。
 
 Thunderはバットマンから戦力外通告を受け、一方バットガール(カサンドラ・ケイン)はバットマンからチームに入るよう指示されている――というわけで必ずしも関係の良くなさそうな三人ですし、実際さほど仲の良さそうな場面があるわけではありません。
 しかし、なぜかカサンドラはThunderとGraceの家に住み込んでいるらしく(これは何故か分かりません、バットマンはカサンドラにお家を世話してあげてほしいです)、カサンドラの様子が普通の子供とあまりに違うので心配するThunderの姿も描かれていて、ああこの人、ちゃんとした大人だなあと好感が持てました。
 
 また、カタナとカサンドラがお互いの家族について語る場面も良かったです。失った家族を思うカタナと、家族と縁を切りたいカサンドラ。二人の境遇の違いが浮き彫りになった場面でした。
 
 と、総じてカサンドラと女性陣との交流が楽しめた作品でした。
 一方、ストーリー全体としてはひょうきんなMetamorphoがかなりギャグを担当してくれていますので、すらすらと楽しく読むことができるお話だと思います。