※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。
以前読んだSuperman/Batman (感想はこちら)という作品では、地球に初めて降り立ったSupergirl (スーパーガール、Kara Zor-El)がSuperman (スーパーマン、Kal-El)に過保護にされて反発したり、Batman(バットマン、Bruce Wayne)に監視されて反発したり、Wonder Woman (ワンダーウーマン、ダイアナ)にセミッシラ島に連れていかれてそこでアマゾン族の友達を作ったり――ということが描かれていました。
2005年からのスーパーガール誌はその後のスーパーガールの姿を描くものだそうなので、オムニバス版の第一巻を読んでみました。
【基本情報】
Writeres: Justin Gray, Greg Rucka, Joe Kelly, Jeph Loeb, Jimmy Palmiotti
Artists: Jimmy Palmiotti, Amanda Conner, Ed Benes, Norm Rapmund, Ian Churchill
Cover by: Michael Turner
発行年 2016年 (連載されていたのは2005年ごろ)
公式サイトはこちら。
Superman/Batmanでもそうでしたが、この巻でもひたすらにスーパーガールの自分探しの旅が続きます。
前提として、この頃の地球には
・スーパーマン
・パワーガール(Earth-2という別世界から来たスーパーガール)
・スーパーボーイ(コナー・ケント、スーパーマンのクローン)
と、すでに3人もスーパーマン関係のヒーローがいます。ここにさらに4人目のスーパーガールが加わる意味とは。
また、セミッシラ島を出た後のスーパーガールには居場所がありません。Rebirth期のスーパーガール(感想はこちら)のように誰かの養女になるわけでもなく、一人暮らしです。友達を探そうとして若手ヒーローチームと関わってみるも、常に揉めます。どうもこれはスーパーガールの中に邪悪な誰かが潜んでいるらしい……という展開が、この巻のエピソードの大きな柱になっています。
邪悪な誰かとのあれこれを経て、結局スーパーガールに友達はできたのか。というと、どうもWonder Girl(ワンダーガール、Cassandra Sandsmark)とは友達になれたようです。
この巻の途中でInfinite Crisis(感想はこちら)が起きたらしく、スーパーガールとワンダーガールが二人並んで事件により失ったものの大きさを嘆くシーンがあります。
ここは、喪失感を共有できている友人同士――という感じで大変印象的な描写でした。しかし何となく居場所らしい居場所のないまま、物語は2巻へと続いていきます。