Wonder Woman (ワンダーウーマン、ダイアナ)の活躍を描くWonder Woman by Geroge PerezのVol. 4を読みました。収録されているストーリーはおおむね3つで、
- Wonder Womanをアメリカで人気者にしたやり手プロデューサーMyndi Mayerの思い出話
- アマゾン族の理想を広く人間界に伝えるため、人間界から選ばれた複数の人々をセミッシラ島に招待する話
- かつて戦ったSilver Swanとの再戦
でした。
George Perez氏の作品で一貫してダイアナをサポートし続けているJulia Kapatelis, Vanessa Kapatelis母娘はこの巻ではあまりダイアナとは絡みません。が、娘のVanessaが確実に成長を続けている姿が描かれています。ダイアナと直接は絡まないながらも、まだ学生のVanessaのリアルな日常の描写はこの作品にしっかりとリアリティを与えているように感じました。
また、ギリシアの伝令神ヘルメスとアメリカで同居しているSteve Trevorもダイアナとの絡みは少ないのですが、ヘルメスとの関係で苦労しています。
Writers: George Perez, Mindy Newell, Lee Marrs
Artists: Chris Marrinan, Steve Montano, Robert Campanella, Carol Lay, Colleeen Doran, Cynthia Martin, Ramona Fradon, Trina Robbins, Barb Rausch, Jan Duursema, Cara Sherman Tereno, Leslie Stern bergh, Jill Thompson
Colorists: Carl Gafford, Julianna Ferriter, Tatjana Wood, Michele Wolfman, Shelley Eiber, Helen Vesik, Julia Lacquement, Adrienne Roy
Letterers: Agustin Mas, Carrie Spiegle, John Constanza, L. Lois Buhalis
Collection Cover Artists: Chris Marrinan and George Perez
発行年 2020年(※連載されていたのは1989年頃)
読んでいて一番印象に残ったのは、人間界の複数の人々をセミッシラ島に招く話でした。これまでもKapatelis母娘やSteve Trevorを島に招いたことはあったので「目新しいことではないのでは?」と思ってしまいましたが、これまでのはあくまで「ダイアナの親しい人々を招く」という話だったようで、ある意味公的に招いたのはこの巻のエピソードが初めてということのようです。
選ばれたのは性別・出身国・年齢等がばらばらな人々なのですが、その中にジャーナリストであるLois Laneが入っているのが印象的でした。もちろん彼女はデイリー・プラネット社所属のピュリッツアー賞受賞ジャーナリストであり、Superman (スーパーマン、クラーク・ケント)の恋人でもあります。
セミッシラ島の初訪問ということで当然、熱は入るのですが災いの神エリスのせいでアマゾン族も招待された人間たちも大変な目に遭います――というお話になっています。
よりによって人間界代表を招待した時に大騒動が起きるせいで、アマゾン族の理想が人間界にうまく伝わらなくなってしまったんじゃないかなと思って読んでいたのですが、トラブルが起きても何とか頑張るアマゾン族(ダイアナを筆頭として)の姿を見せられたことで、却って話は伝わりやすくなったのかもしれません。
早い段階で異変に気付くロイス・レーンの優秀さも印象的でした。彼女のようなジャーナリストがしっかり事態の経緯を世界に向けて伝えてくれるならアマゾン族の世界がそうそう捻じ曲げられて報道されることもないでしょうし、こういう時に誰を招くかという人選は大事だなあ――という感想を持ちました。