2022年11月2日水曜日

Aquaman (2016-) Vol. 4: Echoes of a Life Lived Well 感想 -散漫-

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。 

 2016年から始まったRebirth期Aquaman誌のVol. 4 (途中で巻数がリセットされたため実質的には第10巻)にして最終巻のEchoes of a Life Lived Wellを読みました。どうも散漫な印象を受けましたが、ハッピーエンドなのでまあいいか……となる最終巻でした。

【基本情報】
Art by: Miguel Mendonça, Robson Rocha
Written by: Jordan Clark, Kelly Sue DeConnick
発行年 2021年


公式サイトはこちら。

AQUAMAN VOL. 4: ECHOES OF A LIFE LIVED WELL

A wedding is supposed to be a happy occasion. But for Aquaman and his allies, the wedding of the century is here-and hell follows with it. When Mera awakens from her coma, she finds herself betrothed...but not to Aquaman.



 Vol. 3の戦いで意識不明になったメラ。今はアトランティスの女王である彼女をめぐり様々な勢力が思惑を巡らせる。一方、アクアマン (アーサー・カリー)は地上でメラが産んだAndyを育てるのだったが、Andyが何者かに誘拐されるという事件が起きる。やがて意識を取り戻したメラはある決意を胸にアトランティスの民の前に姿を現すのだったが……というのがあらすじです。


 女王が意識不明に陥ることで有力者たちがあれこれ蠢く……というのはいいとして。上のあらすじには書きませんでしたが、Aqualad (アクアラッド、ジャクソン・ハイド)が母の故郷であるXebelを訪ねるという冒険譚も入ってきます。これはこれでいいのですが、アクアマンやメラの緊迫したストーリーをぶつ切りにする形で入ってくる上に、アクアマンたちのストーリーとあまり絡みません。

 アクアラッドは2021年からのInfinite Frontier期で大活躍しているようですので、ここでちょっと取り上げておく必要があるということだったのかもしれませんが、アクアマン誌にこのエピソードを入れたことで流れを悪くしているだけでは、という印象でした。

 意識が戻ったメラがある重大な宣言をするのも、メラのアトランティス治世がどのようなものだったかあまり描かれていないので今ひとつぴんと来ません。アトランティスでのメラの女王としての働きやら苦労やらをしっかり描いたうえでの宣言ならまだしも……と思います。こんな唐突に重大宣言をされてアトランティスの人々はついていけるのかどうか、という感想になりました。

 この巻の最後では読者の多くが待ち望んでいたハッピーエンドが描かれているので、何となく「これはこれでいいんじゃないの」という読後感になりましたが、うーん、やっぱりもっと面白くなったはずの作品なのでは……と思います。