Infected (感想はこちら)に引き続き、Batman/Supermanを読みました。Infectedでは6人のヒーローたちが次々とBatman who laughsの毒に感染していく姿が描かれていましたが、こちらはBatman (バットマン、ブルース・ウェイン)とSuperman (スーパーマン、クラーク・ケント)がヒーローたちの感染に気づきBatman who laughsの野望を打ち砕くために奮闘する姿が描かれています。
【基本情報】
Writer: Joshua Williamson
Artist: David Marquez
Colorist: Alejandro Sanchez
Letterer: John H. Hill
Cover Artists: David Marquez, Alejandro Sanchez
公式サイトはこちら。
Dark Nights: Metal(感想はこちら)の後、バットマンはダークマルチバースと呼ばれる最悪の世界からやって来た最悪のヴィラン、Batman who laughsをJustice Leagueの基地であるHall of Justiceの地下に監禁していた。この事実はバットマンとスーパーマン以外のヒーローたちは誰も知らなかった。
バットマンとスーパーマンは異変が起きていることに気づき、調査を始める。その過程でBatman who laughsの毒物によりヒーローたちが感染させられ邪悪な存在となっていることを確信するのだった。果たして度のヒーローが感染しているのか、そしてBatman who laughsの目的は何なのか。Batman who laughsの野望を打ち砕こうとする二人の前には、感染したヒーローたちが立ちはだかるのだった――というのがあらすじです。
Infectedで示されたように、感染したヒーローはShazam (シャザム、ビリー・バットソン)、Blue Beetle (ブルービートル、ハイメ・レイエス)、Donna Troy (ドナ・トロイ)、Comissioner Gordon (ゴードンゴッサム市警本部長)、Hawkman (ホークマン、カーター・ホール)の5人です。
Batman who laughsはもう一人、スーパーマンを感染させたかったようなのですが、Supergirl (スーパーガール、カーラ・ゾー・エル)がかばったためにスーパーガールが感染することになります。
感染ヒーローたちとバットマン、スーパーマンが戦うくだりでは感染ヒーローたちが普段から抱えているストレスが明かされ、「日頃からストレスを発散できていたらこんなことにならなかったのかも……」という感想を持ちました。
筆者はドナ・トロイの様子を見たくてこのシリーズを読んでいるのですが、ドナは仲間のTitansメンバーが記憶喪失になったり殺されたり殺人犯になってしまったりしたことについて、「そもそもヒーローへの憧れを持たせたスーパーマンが悪い」と当たり散らします。
まあ、筋違いではあるのですがDCコミックス界の象徴=スーパーマンと考えると間違っていないような気もしますね。Titansメンバーがいろいろと大変なことになったのはDCコミックスの編集の意向のように思いますし。
読んでいるとドナは、アマゾン族のことをバカにされると怒っていたり、上に書いたように仲間のことを思っていたりと、Titans Vol. 3(感想はこちら)に登場した未来の邪悪なドナであるTroiaよりもだいぶいい子じゃないの……と思いました。
ストーリーの最後の方でWonder Woman (ワンダーウーマン、ダイアナ)も登場するのですが、彼女もドナのことを心配して探していてTitans誌の頃よりだいぶ関係が良好です。Titans誌の頃のドナを取り巻く環境が荒みすぎていたんでしょうか。
公式サイトのこちらの記事では
"The first arc of BATMAN/SUPERMAN will follow the two titular heroes as they hunt down six infected heroes in the DCU—people revealed to be infected by the Batman Who Laughs with a deadly pathogen that violently transforms them into the evilest versions of themselves."
「Batman/Supermanの最初の物語では、表題の二人のヒーローがBatman Who Laughsの致死性の病原体によって感染させられ、最も邪悪な存在となってしまった6人のヒーローを追う姿を描く」
と、Batman who laughsによってダークマルチバースの影響を受けたヒーローたちは彼らがなり得る最悪の存在になるという触れ込みになっています。ただ少なくともドナに関してはTroiaを超える邪悪さは感じられず、ちょっと過大広告だったかなという印象を受けました。
なお感染ヒーローの中で異色だと思ったゴードン本部長はやはりバットマンを傷つけるという目的で選ばれたようですね。ゴッサムという町のひどさに加え、ゴッサム市警屋上で話しているときに勝手にどっか行ってしまうバットマンにゴードン本部長は結構苛立っていたようなので、バットマンには反省してもらいたいものです。なんならゴードン本部長は今こそバットマンに言いたいことを全部言ってしまった方がいいと思います。
バットマンとスーパーマンの二人はBatman who laughsの目的を一応は潰したものの感染ヒーローは救えないまま、この本でのストーリーは終わります。二人は仲間にいろいろなことを秘密にしたためにこんなことになっているのでは……と反省し、物語は次へと続いていきます。
感染ヒーローの話は、Year of the Villain: Hell Arisenへと続いていくようです。
※2021/10/03追記
Year of the Villain: Hell Arisenを読みました。感想はこちら。