2021年5月16日日曜日

Justice League Odyssey (2018-) Vol. 2: Death of the Dark 感想

 ※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。


 Cyborg (サイボーグ、ヴィクター・ストーン)、Starfire (スターファイヤー、コリアンダー)、Azrael (アズラエル、ジーン-ポール・バレー)の三人が自分たちを呼ぶ声に気づき宇宙に向かい、たまたま居合わせたGreen Lantern (グリーンランタン、ジェシカ・クルズ)が三人の旅に巻き込まれるというJustice League Odysseyの第二巻を読みました。

 1巻ではなぜこんなことになっているか良く分からなかったのですが、この巻で大体の事情が見えてくるのでとても読みやすくなります。

 

【基本情報】
Writer: Dan Abnett
Artists: Will Conrad, Carmine Di Giandomenico, Daniel Sampere
発行年 2019年


公式サイトはこちら。



 Ghost Sector. 宇宙空間の中でも他と切り離されたその場所を訪れたサイボーグ、スターファイヤー、アズラエルの三人はその世界の住人たちが自分たちを神と崇めているのに驚く。Ghost Sectorを監視する任務に就いていたグリーンランタンは彼らを逮捕しようとするが、異変の発生により彼らに協力せざるを得なくなった。

 実はGhost Sectorには力を失ったDarkseid (ダークサイド)が存在し、彼らに自らの計画に協力するよう迫る。Ghost Sectorの住人たちがサイボーグたちを神と崇めているのも、ダークサイドの計画によるものだったのだ。

 Justice League: No Justice (感想はこちら)事件の影響でこのままではすべての生物が死に絶えることを知った一同は、表向きはダークサイドに協力しながら最後の段階で彼を裏切ろうと考えるのだったが――というのがあらすじです。

 

 前巻でとにかく異様だった「サイボーグたち三人を神と崇める世界」ですが、「ダークサイドが三人を計画に引き込むために仕込んだもの」だと分かって話がぐっと分かりやすくなりましたね。

 こうなると問題になるのは、「今は力を失っているダークサイドの完全復活をどう防ぐか」ということになりますが、とにかくGhost Sectorという場所が非常に厄介であることが分かるストーリーになっていました。外とは連絡が取れませんし、簡単に外に出ることもできません。

 

 ダークサイドと協力しながら次の手を探るしかないわけですが、果たしてダークサイドを信じていいものなのか……という物語になっていきます。

 

 見どころはジェシカ・クルズだと思います。

 初めからダークサイドの計画の一環で呼ばれた三人とは違い、巻き込まれた彼女。しかもグリーンランタンのパワーは指輪にエネルギーを充電することで発揮できるようなのですが、Ghost Sectorでは充電ができないらしく徐々に減っていくエネルギーを計算しながら戦わなければならない彼女。

 

 誰を信じられるのか確信を持てない状況が続く中、ページをめくるごとに減っていくバッテリー残量がスリルを煽ります。3巻の展開も楽しみです。