2020年6月14日日曜日

Teen Titans (2014-2016) Vol. 1- Vol. 4 感想

 New52期後半に連載されていたTeen Titans誌のVol. 1-Vol. 4を読んでみました。前のTeen Titans(感想はこちら)の設定を引き継ぎつつ、メインライターが変わったこともあり号数をリセットしたようです。
 
【基本情報】
Writers: Will Pfeifer, Greg Pak, Scott Lobdell, Tony Bedard
Artists: Scott Hepburn, Kenneth Rocafort, Ian Churchill, Felipe Watanabe, Tom Derenick, Miguel Mendonça, Norm Rapmund, Various
Cover by: Kenneth Rocafort, Bengal, Jorge Jimenez, Mike McKone
発行年 2015年-2017年

公式サイトはこちら。



 今回のチームのメンバーとしては、前シリーズからの引き続きで
 Red Robin(レッドロビン、ティム・ドレイク)、Beast Boy (ビーストボーイ、ガーフィールド・ローガン)、Wonder Girl (ワンダーガール、キャシー・サンズマーク)、Raven(レイブン)、Bunker(Miguel Barragan)
 の5人、さらに新しいメンバーとしてPower Girl (パワーガール、Tanya Spears)が加わった6人体制になります。
 パワーガールは、パラレルワールドであるEarth-2世界のヒーロー、パワーガールの友人でありオリジナルのパワーガールがEarth-2に帰る際に彼女に力を与えていったのだそうです。最初は怪力だけでしたが、途中から巨大化もできるようになりほぼ巨大化能力で物事を解決していっています。彼女が巨大化すると、コマの中の遠近感がおかしくなって楽しいです。
 
 それはともかく。
 
 作品の印象としてはとにかく明るいことが挙げられます。前シリーズではあまり前面には出てこなかったビーストボーイがかなり目立つようになっているため、全体的に明るく、軽口と共に話が進行していく印象があります。ビーストボーイとBunkerの仲良し感もいいですね。大学生くらいの男の子たちってこんな感じだよね、と思わせるものがあります。
 
 物語としてはS.T.A.R. Labの持っている兵器の話に巻き込まれたり、前シリーズに登場したSuperboyとKid Flashが一時的に再登場したり、といった展開になっていきます。ただ、SuperboyやKid Flashが登場すると物語が停滞するな……というのが正直な感想でした。これは筆者が前シリーズでの彼らの描かれ方に納得できていない部分があり、彼らが登場するといろいろひっかかるポイントが出てきてしまうためなのですが。
 
 上にあげた6人のメンバーが固定され、チーム内の人間関係もこなれていくVol. 3-Vol. 4の展開が面白いなと思いました。中でもVol. 3では、New52期になってから謎とされていたワンダーガールの出自が明かされます。
 
 New52期ワンダーガールは、ワンダーウーマン誌(感想はこちら)に登場した半神、Lennoxの娘なのだそうです。Lennoxはギリシア神話の大神ゼウスと人間の間の子、というわけでワンダーガールはゼウスの孫にあたります。
 New52期ワンダーウーマン(ダイアナ)はゼウスとアマゾン族の女王ヒッポリタの娘ですので、ワンダーウーマンは彼女のおばさんにあたります。
 
 ……という事実が分かるまでに一悶着あるのですが、面白かったのは父Lennoxの形見に引き寄せられたワンダーガールが急行したマンションがワンダーウーマンの部屋で、そこに敵が現れたためワンダーウーマンのマンションを破壊するという展開になったところです。……最後誰が直したんでしょう。
 
 そしてダイアナはキャシーを家族と呼び、いつでもあなたのそばにいると告げるのでした。
 
 と、New52期ではずっと語られなかったワンダーガールとワンダーウーマンの関係が明らかになったのはいいのですが、読んでいて気付いてしまいました。
 New52期以前でのキャシー・サンズマークは先代のワンダーガールだったDonna Troy(ドナ・トロイ)のことを尊敬し憧れていましたが(たとえばThe Return of Donna Troy(感想はこちら)で語られています)、New52期以降のドナ・トロイは「ワンダーウーマンを倒す兵器として土塊から作られた」という設定になっていて、ワンダーガールとして活動したという歴史もなくなってしまっています。当然、キャシーがドナに憧れていることもなく、もしかするとドナの存在も知らないわけで……と思ったら、悲しい気持ちになりました。ワンダーウーマン関係のヒーローたちが集まるお話をもっと増やしてほしいものです。
 
 ともあれTeen Titans達の戦いは続き、Vol. 4ともなるとチームワークも最高で楽しく読めるようになってきます。ところが、Rebirth期Detective Comics(感想はこちら)で語られたある悲劇のためにチームは解散となります。
 レイブンやビーストボーイは2016年のRebirth期以降もTeen Titansで活躍していたようですが、他のメンバーはそれぞれの活躍の場に向かったようです。