【基本情報】
Writer: Alisa Kwitney
Artist: Michael Norton
Cover by: Julian Totino Tedesco
発行年 2018年
公式サイトはこちら。
まだまだ未熟だったザターナだったが、魔力が暴走してしまってお父さんを異世界に送ってしまう。ザターナは自分の魔力をコントロールする力を得てお父さんを助けるため、魔法を教える大学に通うのだった――というのがあらすじです。
同級生にエンチャントレスなどがいて、大学の先生にはマダム・ザナドゥーなどがいます。筆者からするとこのメンバー、Justice League Dark Vol. 1 (2011)を思わせるので「エンチャントレスの脅威に対抗するためマダム・ザナドゥーはザターナたちとエンチャントレスを戦わせるのだった」というあらすじを思い出すとそれだけで笑える状態になっています。君たちつい最近殺し合いしてたよね、という感じで。
Bombshellsほどではないですが、他の作品とはあまり関係なく成立しているミニシリーズだと思います。一風変わったキャンパスライフを楽しく読むことができます。ザターナの恋愛もあります(相手はコンスタンティンではありません!)。
いつもとは一味違うザターナを楽しみたい人におすすめの作品です。
以下、ネタバレを含む感想です。
***ここからネタバレ***
未熟なザターナの姿が見どころの作品だと思います。
他の作品に登場するザターナは"Mistress of Magic" (魔法の支配者)ですし、最強クラスの魔法の使い手という扱いをされていることが多いです。
一方この作品では、自分の思い通りに魔法を使うことが全然できない、大学でも落ちこぼれ状態のザターナの姿が描かれます。
クラスの中でで自分だけうまく課題をこなせなくて残されるとか宿題が間に合わないとか、そんなことを思い出して切ない気持ちになることもできます。
リアルに想像してみると、この話の中のザターナは落ちこぼれだし何かとトラブルに巻き込まれるし恋愛関係でごたごたするし情緒不安定だし、同級生にいたら結構困った女の子かもしれません。
でも、同じ時期に入学した学生たちはそんなザターナを見捨てず、共に成長していく――と考えると、この話の肝は同級生たちですね。
作者の前書きによると、もともとオリジナルキャラクターで考えていた話らしいです。そのせいか、同級生の中にはこの作品にしか登場しないオリジナルのキャラクターもいます。そのうち別の話に登場する日もくるのかもしれません。