Rebirth期Supergirl誌のVol. 3を読みました。Rebirth期Supergirlの最終巻ですが、一冊の本として読んだ時あまり高く評価はできない作品になってしまっています。とはいえ、ライターが面白くするために頑張ってくれたことは良く分かるのでスタッフを責める気にもならない……という作品でした。
Writers: Jody Houser, Marc Andreyko,Robert Venditti
Artists: Rachael Stott, Eduardo Pansica, Julio Ferreira, Laura Braga, Inaki Miranda, Cris Peter, Fco Plascencia, Chris Sotomayor, Hi-Fi
Letterer: Tom Napolitano
Cover: Dan Mora
発行年 2020年
この本に収録されているエピソードは前半と後半で大きく分かれています。
前半は、Vol. 2の展開を終えてようやく地球に帰ったSupergirl (スーパーガール、カーラ・ゾー・エル)が、自分の家がなくなっていて愕然とするところから始まります。
このRebirth期のSupergirlシリーズで、ライターとしてトップバッターを務めたSteve Orlando氏が手掛けた一連のエピソードでは、カーラはJeremiah Danvers, Eliza Danversのダンバース夫妻の養女となって人間社会に溶け込んでいました。この巻では、その恩人二人がピンチになったところから始まり、背後にはLeviathanという存在の陰謀があるらしいということが読者に分かってくるわけです。「さあ、どうするんだカーラ!」と思ったところでこのエピソードは唐突に終わります。
というのも、その後はカーラがBatman who laughsの持ち込んだウィルスに感染して闇のカーラになるSecret Sixのイベント関係の話になるからです。ちなみにSecret Six関係のエピソードについての感想はこちら をご覧ください。
筆者はダンバース夫妻について気になりつつも感染したカーラの気持ちを追い、「感染してもヒーローとして皆に認められたいカーラ、なんて健気なんだ!」と思いながら読んでいたわけですが肝心の「いかにカーラが元に戻ったか」がこの巻で描かれることもありません。なぜなら、カーラが元に戻る姿が描かれるのはYear of the Villain: Hell Arisen (感想はこちら)だから……というわけで、とにかくイベントに振り回されている印象の一冊です。
こんな感じでも、途中経過はなかなか面白く読めたのでライター達の踏ん張りは賞賛に値すると思います。ただどうしても、読んでいて肩透かしという感想は否めません。
あとこれ、Rebirth期最終巻なのにダンバース夫妻がどうなったか結局分からないんですけど……2021年から始まったInfinite Frontier期で夫妻の動向が描かれる日は来るのでしょうか。