2022年4月19日火曜日

Birds of Prey #104-109感想 -ヒーローチームの内部抗争-

 ※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。

 Birds of Preyの104話-109話を読みました。Birds of Prey誌のメインライターだったGail Simoneが同じくメインライターを務めていたSecret Six誌から、Secret Sixメンバーがゲスト出演する作品です。なお、109話からライターが交代してTony Bedardになっています。

 

【基本情報】
Writers: Gail Simone, Tony Bedard
Colorist: Stephane Roux, Hi-Fi
Cover Color by: Stephane Roux
Inker: Doug Hazlewood
Letterer: DC Lettering
Penciller: Nicola Scott
発行年 2007年


公式サイトはこちら (#104)



 アゼルバイジャンで旧ソ連の関係者がお披露目した新兵器を奪おうとするBirds or Prey。しかしそこには、別の依頼者からの依頼を受けたSecret Sixも潜入していた。新兵器をめぐり二つのチームが激突するのだが――というのがあらすじです。

 

 Huntress (ハントレス、ヘレナ・ベルティネリ)とCatman (キャットマン、トーマス・ブレイク)がたぶん初共演で、最初からいい雰囲気になっています。この後のBirds of Prey誌 (感想はこちら)やSecret Six (感想はこちら)でも絡む二人ですが、最初からお互い好印象だったのだなと思える描写になっています。

 

 一方、共に惑星AkopolisでDarkseidに仕えるFemale Furiesの一員だったBig BardaとKnockoutも再会し、バトルを繰り広げることになります。この二人の関係は正直良く分かりません。ライバル関係のようでもあり、憎しみ合う敵同士のようでもあり。二人とも元居た惑星を離れた身なんだから仲良くしてもいいのでは……と思いますが、そういうわけにもいかないようです。

 とはいえ。物語のメインの主題はあくまでBirds of Preyの内部抗争のようです。この頃のチームにはSpy Smasherという人物が入っていたようなのですが、この人は政府機関とも関係しているらしく勝手にチームのリーダーとして振舞い、彼女の方針に反対するメンバーを解雇するようになります。ミッション終了後、本来のチームリーダーであるOracle (オラクル、バーバラ・ゴードン)が彼女と対峙し、戦った(※物理的に)上で彼女を倒します。ヒーロー仲間たちもバーバラに味方するので、彼女はチームから追い出されるのでした――という展開になるのですが、読み終えた後「……戦うステップ必要だった?」とは正直思ってしまいました。

 Spy Smasherが嫌な奴であることはエピソードの中でたっぷり描かれているので、チームメンバーがバーバラに肩入れするのは当然のこととして納得がいきます。わざわざバーバラと彼女が戦うのは、どこかヤンキー漫画的なタイマン勝負というテイストを感じてしまいますね。読者のスッキリ感のために入れておきましょう、みたいなことだったんでしょうか。

 109話ではライターが変更し、Black Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)がGreen Arrow (グリーンアロー、オリバー・クィーン)と結婚するという話にバーバラが渋い顔をするというエピソードが挟まれています。とはいえ109話で一番大事なのは恐らくAkopolis出身の人たちが次々に暗殺されているらしい、ということが分かったことでしょう。この話はまた次の話に続いていくようです。