2022年10月1日土曜日

Outsiders (1993-1995) #14 感想: 狂乱のKatana

  以前読んだThe Other History of DC UniverseのKatana編 (感想はこちら)は、ライターのJohn Ridleyが2020年までのKatana (カタナ、タツ・ヤマシロ)のコミックでの活躍を自分流に再編成して描きなおしたものでした。

 その中の興味深いエピソードに「カタナと暗殺者Lady Shivaが戦いカタナが負け、臨死体験を経て蘇る」というものがありました。調べたところ、このOutsiders (1993-1995) #14をベースにしたものだったらしいので読んでみました。

 

【基本情報】
Writer: Mike W. Barr
Penciller: Paul Pelletier
Inker: Robert Campanella 
Colorist: Gene D'Angelo
COver Art: Paul Pelletier, Robert Campanella
発行年 1994年


Amazonのページはこちら。



 カタナはもともとBatmanが中心となって結成されたチームBatman and the Outsidersの一員として登場したわけですが、この頃チームからバットマンは離れているらしく"Outsiders"としての活動になっています。

 ……そして、カタナはとにかく荒れています。冒頭で違法薬物の売人グループと戦うシーンがあるのですが、読者が引く勢いでの荒々しい戦いぶり。薬物を売るのと殺人とどっちがマシか、なんてことを考えてしまうくらい躊躇なく売人たちを殺しています。バットマンと離れたからこうなったのか、バットマンがいた頃からこのテンションだったのか。

 ところが売人グループの一員だった子供を殺せないでいたところにLady Shivaが乱入、瀕死の重傷を負わされ魔剣Soultakerを奪われます。ということで、ある程度身体を回復させたところでSoultakerを取り戻すためにLady Shivaと彼女の雇い主のところに殴り込みにいくのだった、というのがあらすじになっています。

 黒幕はかつてのカタナの師匠のTadashiで、結局はSoultakerをめぐる争いだったということになるようなのですが、Lady Shivaとの再戦でも負けているあたりが少し残念です。ここで実質的に死亡して、死後の世界でのバトルを経て戻ってくるという形になっています。

 復活後のカタナがLady Shivaに再び戦いを挑むも、Lady Shivaが逃げたので戦いは保留状態になっています。

 John Ridleyはこの話を下敷きにしつつ、細部は自分の物語に合うように変えていったのだなというのが感想でした。そして、カタナさんの荒れっぷりがとにかく印象に残ります。Outsidersのチームメイト、Geo-Force (ジオフォース、ブリオン・マルコフ)は怪我をしたカタナに優しく接しているのでチームが空中分解しているような状態というわけでもなさそうなのですが何があったのでしょう。