2021年7月24日土曜日

Green Lanterns (2016-) Vol. 2: Phantom Lantern 感想

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。 

 新人Green Lantern (グリーンランタン)のJessica Cruz (ジェシカ・クルズ)とSimon Baz (サイモン・バズ)が地球を守るGreen Lanterns誌の第二巻を読みました。

 

【基本情報】
Writer: Sam Humphries
Art by: Ronan Cliquet, Robson Rocha, Jack Herbert, Various, Eduardo Pansica
Cover by: Robson Rocha, Joe Prado
発行年 2017年

公式サイトはこちら。


 かつてGreen Lanternの力のものとなる指輪を作った一族、Guardian。その一人であるRamiはPhantom Ring (ファントムリング)を作ってしまったことから放浪の身になり、地球に助けを求めに来ていた。ファントムリングはグリーンランタンの指輪と違い、誰でも装着できるという危険な点がある。グリーンランタンになることを切望していたが指輪に選ばれなかった男、Frank Laminskiはファントムリングを手に入れその力を利用するのだったが指輪の力は彼を暴走させるのだった――というのがあらすじです。

 

 まず、Vol. 1のラストでサイモンの家族と会い一家の団らんに参加しそうだったジェシカですが、Vol. 2の冒頭では知らない人たちとの交流に腰が引ける姿が描かれています。うむ、やはり数年間アパートに引きこもっているとこのぐらいの反応になるよね……と、なんだか安心しました。

 

 安心というのはVol. 1のラストを読んだ時「アメリカという国では数年間引きこもっていた人でも知らない家族との会話に溶け込めるものなのか!? そんな社交性が当たり前のように期待されている国にはとても住めない(※筆者にアメリカに住む予定はありません)……」と思ったからなのですが、アメリカでもそこまでの社交性が当たり前というわけではないようです。やれやれ。

 

 さて本筋に戻り、今回の敵Frank Laminskiについてなのですが。彼は平凡な人として周りから見られており、ある事件をきっかけにグリーンランタンになりたいと望むようになります。指輪に選ばれるように鍛錬をつみ、指輪が自分のもとに訪れるのを待ち続けるのですが実現はせず、ファントムリングを狙うようになります。

 彼については、一度グリーンランタンの指輪が間違えて彼のもとを訪れ「ごめん、間違いだった」と言い残して去っていくという事件があるのでなんだかとても可哀想だと思います。非常に罪深い間違いです。1時間くらい指輪の力を使わせてあげるといったサービスをしてもよかったのではないでしょうか。

 

 それはともかく。

 

 一方のジェシカはグリーンランタンになぜか選ばれてしまったと思っているので、グリーンランタンの指輪を切望していた彼に何となく引け目を感じると同時に「もし自分がファントムリングを装着したら『fear』という感情が前面に出てしまうのでは」という恐れを感じながらも目の前の事態に対応していく――ということになります。

 

 果たしてジェシカはグリーンランタンにふさわしいという自信が持てるのか、というのがジェシカの見所になっています。