2021年7月17日土曜日

Green Lanterns (2016-) Vol. 1: Rage Planet 感想

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。


  DCコミックス世界で宇宙の警察のように活躍する人たち、Green Lantern (グリーンランタン)ですが地球人の女性ランタンは今 (2021年6月)のところJessica Cruz (ジェシカ・クルズ)一人のようです。

 2016年からのRebirth期に連載されていたGreen Lanterns誌では彼女が主役の一人として描かれているようですので、Vol. 1を読んでみました。

 

【基本情報】
Write: Sam Humphries
Artist: Robson Rocha
Cover by: Ethan Van Sciver
発行年 2017年

公式サイトはこちら。

表紙を飾るのはジェシカ一人だけ。……と思いきや、相棒のサイモンもいるのがポイントです。


 最近グリーンランタンになったばかりのジェシカ・クルズ。ベテラングリーンランタンであるHal Jordan (ハル・ジョーダ)は彼女ともう一人の新人グリーンランタン、Simon Baz (サイモン・バズ)にこれから地球を二人で守るようにと言う。実はハル・ジョーダンたちは別のミッションに行くため地球を守ることができないのだという。

 サイモンはジェシカより少し経験があるので彼女をパートナーにするのは不満なようだったが、とにかく二人は頑張るしかない。しかし地球の守りが手薄になったことで、怒りを司るRed Lantern (レッドランタン)がその手を地球に伸ばそうとするのだった――というのがあらすじです。

 

 主な登場人物は、

 

・Jessica Cruz (ジェシカ・クルズ): 友達が殺された現場から逃げ、数年間アパートに閉じこもるがGreen Lanternの指輪を与えられグリーンランタンになる。


・Simon Baz (サイモン・バズ): テロの容疑者としてグアンタナモに収容されていたが指輪を与えられグリーンランタンになる。姉一家と同居。姉一家も、サイモンがグリーンランタンであることを知っている。 


・Sara Cruz (サラ・クルズ): ジェシカの姉。ジェシカを外に出そうと頑張っていた。ジェシカがグリーンランタンであることを知っている。


 という感じです。サイモンの家族もジェシカの家族もそうですが、グリーンランタンは割とオープンというか正体が家族にばれていてもOKというシステムなんですね。

 それにしても不思議なのはグリーンランタンの選び方です。この二人の選ばれ方だけを見ていると「狭いところに閉じこもっている人(自分の意思でそこにいるかどうかは問わない)の勇気に期待する」みたいな感じに見えますが、まさかそんな基準ではないでしょうし。

 

 恐怖を克服できる者に指輪が与えられるそうなのですが、自分でも「不安が強い」と自覚しているジェシカがなぜ選ばれたのかは今後描かれていくということなのでしょうか。

 

 この巻では二人が共闘するうちにジェシカのグリーンランタンとしての基本能力が芽生え、一方サイモンはジェシカを信頼するように……という姿が描かれることになります。

 そしてお互いの家族にも紹介しようというところでVol. 2の展開につながっていくのですが、アメリカは本当に仕事仲間 = 家族ぐるみでのおつきあい、なんですねえ。

 家族と仲が悪い人はどうするんだろうかといつも思うのですが、そういう人はそういう人で尊重されるのでしょうか。仕事仲間を集めてホームパーティーとか、好きな人は好きなんだと思いますが大変そうだな……とついつい思ってしまいます。ジェシカは引きこもっていた時代があったとは言ってもそこまで人見知りというタイプではないみたいですね。

 

 

 また、この巻の敵であるレッドランタンですが。主なメンバーが、鬼のような外見のAtrocitus、魔女っぽい外見のBleez、猫っぽい外見のDex-Starr……と日本の子供向けアニメに出てくる悪の幹部みたいな感じなので憎めなくて困ります。Rage(怒り)がなくなれば世界が滅ぶという彼らの主張も事実でしょうし、この巻での展開からするとまた登場するようですからそのときが楽しみです。