2021年4月10日土曜日

Justice League International (2011-2012) Vol. 1: The Signal Masters 感想

  Vixen (ビクセン、マリ・マッケイブ)は動物の力を使って戦うことができるヒーローです。2011年から始まったNew52期で彼女が初登場するのはこのJustice League Internationalらしいので読んでみました。

 

【基本情報】
Writer: Dan Jurgens
Artists: Aaron Lopresti, Matthew Ryan
発行年 2012年

公式サイトはこちら。



 国連は自分たちの指示に従うスーパーヒーローチームとしてJustice League Internationalを組織する。この頃評判の悪い国連のイメージアップの意味もあった。Internationalの名に恥じず、各国から集められたヒーローたち。彼らに与えられた最初のミッションは、世界の4か所で行方不明になっている国連の調査チームの行方を探ることだった。しかし、そこには思いも寄らぬ秘密が隠されており、寄せ集めのチームは目の前に現れた脅威への対応に四苦八苦するのだった――というのがあらすじです。

 

 世界各国からヒーローを集めるというコンセプトの中で、アフリカのZambesiという国出身のビクセンも選ばれたという流れになっています。チームのリーダーは未来からやってきたヒーロー、Booster Gold (ブースターゴールド)です。彼は52 (感想はこちら)にも登場していましたが(そしてタイムトラベル関連の話が筆者には良く分からないままになっているのですが)、とにかく名声を得ることを目標にしているため扱いやすいだろう――というのが国連の目論見だったようです。

 

 ところが、チーム内に密かにBatman (バットマン、ブルース・ウェイン)が入り込んでおり――もちろんバットマンは国連の言うことを素直に聞くようなタイプではないのでメンバーからは外されていました――リーダーのブースターゴールドをバットマンが支えることでチームは思わぬ方向に動いていくことになります。

 ブースターゴールドは他のヒーローたちからはあまり評価されていないようなのですが、バットマンは彼のポテンシャルに期待しているようですね。

 

 作品の見どころとしては、ブースターゴールドのリーダーぶりが挙げられます。チームメンバーのことを思い、人々のために危機を食い止めようとする彼の姿は立派なヒーローのものです。はじめは「扱いやすいから」という理由でリーダーに選ばれた彼が国連の人の予想をはるかに超えて本物のリーダーとしての輝きを見せるのは、そして国連の人を困惑させるのは、爽快でした。

 

 ……なお、ビクセンに関しては残念ながらそれほど目立つ活躍はしていません。New52期ですとBlack Canary誌のVol. 2 (感想はこちら)の方が彼女の活躍を見られると思います。