2021年3月27日土曜日

Red Hood and the Outlaws (2011-2015) Vol. 2: The Starfire 感想

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。 

 かつてはバットマンの相棒Robin(ロビン)だったが、Jokerに殺され、生き返ったもののバットマンとは異なる新たなる活動を始めることになったRed Hood (レッドフード、ジェイソン・トッド)がタマラン星の王女Starfre(スターファイヤー、コリアンダー)と、かつてGreen Arrowの相棒で今は独自路線を行くArsenal (アーセナル、ロイ・ハーパー)と共にタッグを組んで戦うRed Hood and the Outlawsの2巻を読みました。

 

 この巻では、

 ・ジェイソンの故郷であるゴッサム市に戻り、ひと暴れする話

 ・スターファイヤーの故郷であるタマラン星に戻り、ひと暴れする話

 が収録されています。

 

【基本情報】
Written by: Scott Lobdell
Art by: Timothy Green, II, Ario Anindito, Kenneth Rocafort, Pascal Alixe
Cover by: Kenneth Rocafort
発行年 2013年

公式サイトはこちら。



 この巻ではチームがジェイソンの故郷とスターファイヤーの故郷に向かうので、それぞれの過去が語られます。

 

 ジェイソンに関しては、

 ・バットマンのことは嫌い

 ・とはいえ、ゴッサム市がピンチに陥っている場合は協力せざるを得ない

 

 という微妙な心理が語られます。バットマンの仲間たちと言える、バットファミリーのジェイソンについての考えも少しずつ違っているようで。

 ジェイソンの後にRobinになったティム・ドレイクはジェイソンの気持ちをある程度理解しているようですが、Batgirl (バットガール)として活動しているバーバラ・ゴードンはジェイソンのやり方を全く認めていないようです。この辺り、バットファミリーとの溝をジェイソンがどう埋めていくのか、そもそも埋める必要がないという結論になっていくのか、気にかかるところです。

 

 後半ではスターファイヤーとタマラン星の話が語られました。

 スターファイヤーはもともとタマラン星の王女でしたが、ある種族にタマラン星が侵攻された際に、姉である女王から「コリアンダーを奴隷として渡すからこれ以上の侵攻をやめてくれ」と、星のために売り渡されたという経緯があります。

 その後の奴隷時代の拷問により体質が変化するなどいろいろあり、逃げ出して地球に不時着するのですが、今度はそのタマラン星からまた侵攻されているので助けてくれというSOSが届きます。昔の仲間たちのためにジェイソンとロイを連れて奮闘するスターファイヤー、という物語になっています。

 

 以下、ネタバレを含む感想です。

 

 ***ここからネタバレ***

 

 

 スターファイヤーの心理が見どころになっているお話でした。

 スターファイヤーは故郷から捨てられたわけで、それでもSOSが届くと助けに行くとはなんていい人……と思っていたら、後にスターファイヤーの本音が語られます。

 本心では、スターファイヤーは姉やタマラン星の人々を恨んでいたわけで、それも当然だな……と思わせる展開でした。

 とはいっても、現実にタマラン星が蹂躙されているとなればやはり助けに行きます。この展開は「バットマンのことは嫌いだがゴッサム市の人々のことは守る」というジェイソンに通じているものがあるのかなと思いました。

 

 最終的にスターファイヤーは姉と共に敵と戦い、姉を許すことで心の平安を取り戻すのですが(お姉さんもちゃんと戦いました)、ジェイソンとバットマンの関係はこのシリーズでどのように語られていくのかなと思います。