1962年から連載が開始されたAquaman誌の11話、18話、23話を読みました。すべてMera (メラ)が関係する話で、
- 11話: メラ初登場
- 18話: メラとAquaman (アクアマン、アーサー・カリー)が結婚
- 23話: 子供が生まれる
というエピソードになっています。この頃のコミックはとにかく展開が早いのです。
Writers: Jack Miller, Henry Boltinoff
Artists: Nick Cardy, Henry Boltinoff
発行年 1963年頃
メラについては、現在と少し違っていて違う次元の世界から来た海底人ということになっていました。最近のAquaman誌ですとメラの出身国であるXebelはアトランティスと同様にこの世界の海の中にある国ということになっているのですが、この頃の作品では海底国はアトランティス一つだけでメラはあくまで異世界人ということになっているようです。
Xebelという固有名詞も出てきますが、メラの故郷にいる科学者の名前であって国の名前ではありません。
……ということとは別に、現在の作品と一番大きな違いを感じたのはアトランティスの人々の物わかりの良さかもしれません。
18話でメラがアクアマンと結婚するにあたっては、ある敵を倒さなければならない事態に陥ります。ここでメラは敵を欺くためにわざと敵の望みを叶えるという行動に出るわけですが、その過程でアトランティスの一般庶民に結構ひどいことをしているわけです。最後はちゃんと敵を倒すわけですが、これが最近の作品だったら「敵を倒してめでたしめでたし、メラとアクアマンも結婚できるよ!」ではなく、「メラは一連の流れで国民の反感を買っているので、彼女がアクアマンの妻にふさわしいとアトランティスの国民に示さなければならない」という展開になったと思います。
当時の読者があまりそういうところに興味がなかったのか、「マンガっていうのは大雑把なものです」というような感覚で読んでいたのか、なんてことを思いました。