2023年に新しく始まったBirds of Preyの第一巻を読みました。Birds of Preyといえば、Barbara Gordon (バーバラ・ゴードン)が車いすに乗ってOracle (オラクル)という名前で活動していた時にBlack Canary (ブラックキャナリー、ダイナ・ランス)をスカウトして始めたチームです (1999年ごろの最初期のBirds of Preyの感想はこちら)。
その後はHuntress (ハントレス、ヘレナ・ベルティネリ)がレギュラーメンバーになったり、状況によって必要なヒーローを呼んだりしてBirds of Preyというチームは続いてきた――わけですが。
映画「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」 (2020)では、バーバラは登場せずタイトル通りハーレイが活躍するということで、コミック版のBirds of Preyでもハーレイが入ってバーバラが入らないものも出てきました。
筆者としてはバーバラが始めたBirds of Preyなのにバーバラが入らないとは何たることかと思っているので、本作もバーバラ不在、ハーレイが入っているというメンバー構成には不満がありました。
が、この第一巻を最後まで読むと、バーバラをメンバーに含めない理由がちゃんと書いてあったので大変好印象です。ちゃんと理由付けしてくれたのがよかったと思います。
Written by: Kelly Thompson
Art by: Leonardo Bastos Romero, Arist Deyn
Colorist: Arist Deyn, Jordie Bellaire
Cover by: Leonardo Bastos Romero, Jordie Bellaire
発行年 2024年
ダイナが姉として面倒を見ていたSinがいなくなった。ダイナはシンの救出のためヒーローチームを結成する。ダイナが選んだのはCassandra Cain (カサンドラ・ケイン、バットガール)、Big Barda (ビッグバルダ)、Zealot (ジーロット)、Harley Quinn (ハーレイ・クイン)の4人。それに加えて、未来から来たMia "MAPS" Mizoguchi (ミア・ミゾグチ)が加わりSinの救出作戦を実行するのだった――というところから物語は始まります。
筆者が初めて読んだキャラクターはZealotとMia Mizoguchiでした。Zealotは戦士キャラっぽいので「戦士なんだね、ふんふん」と読み進めることができます。一方、未来世界からきてテレポーテーションやらタイムトラベルやらをしているMia Mizoguchiは調べるともともとGotham Academyという作品に登場していたらしく。この時は学園の生徒としてバットマンにあこがれていたようなのですが、タイムトラベルなどをしていたわけではなさそうです。
この辺り、Mia というキャラクターがまだまだ成長途上で変化していくということかもしれません。
この話の一番の見どころは、Sinをとらえているのが実はセミッシラに住むアマゾン族だったという展開から来ていると思います。なぜアマゾン族がSinをとらえているのか。ダイナたちBirds of Preyがセミッシラに侵入したことを知ったWonder Woman (ワンダーウーマン、ダイアナ)はどう行動するのか。Birds of Preyはアマゾン族やダイアナの目をかいくぐってSinを救出できるのか――普段頼もしいアマゾン族たちだけに、敵にすると厄介ということが物語を面白くしていると思います。
ところで、SinというキャラクターはもともとLady Shivaの娘で、縁があってダイナに引き取られて育てられたという設定でした (詳しくはBlack Canary (2007) をお読みください)。
しばらくの間登場していなかったので設定がどうなっているかわからないわけですが、ダイナがSinのことをCynthia Lanceと紹介しているところをみると (下図)、ダイナが引き取って育てていることには変わりないようです。今回の細かい設定がどこかで明かされてほしいものだと思います。