Lazarus Planet: Revenge of the Godsを読みました。"Lazarus Planet"は2023年1月―2月頃のイベントで、ラザルス火山の噴火の結果緑色の雨が地上に降り注ぎ、一般人がスーパーパワーを得てしまったり魔法の力がおかしくなったり……という異変が起きたというストーリーになっています。この辺の経緯は、Lazarus Planet (2023) を読むと分かりやすいと思います。
Lazarus Planet: Revenge of the Godsはこうした異変をベースにしつつ、Becky Cloonan期のWonder Woman誌 (感想はこの辺から)で描かれていたオリュンポスの女王ヘラの暴走に決着をつける物語になっています。
とはいえ、一番印象に残ったのはダイアナ (ワンダーウーマン)をはじめとするアマゾン族の皆さんではなく、シャザムファミリーのMary Bromfield (メアリー・ブロムフィールド)でした。
Written by: Michael Conrad, Phillip Kennedy Johnson, Becky Cloonan, Josie Campbell
Art by: Cian Tormey, Jack Herbert, Amancay Nahuelpan, Caitlin Yarsky
発行年 2023年
ラザルス火山噴火の混乱のなか、オリュンポスの大神ゼウスを殺し玉座についたヘラは再び人間たちに神々を侵攻させようと人間やアマゾン族を急襲するための兵を送る。ダイアナの友人たちであるエッタやスティーブ、チーター、それにアマゾン族は抵抗し必死に戦うのだった。
一方、Shazamの神々の力を失った弟ビリーの代わりに神々の力を纏った姉、メアリーは弟と人類を助けようと奮闘するのだったが……というのがあらすじです。
何と言っても印象に残るのがビリーとメアリーの姉弟愛です。筆者はこれまであまりシャザムファミリーの出てくるコミックを読んでいないのですが、シャザムの力にふさわしいのはメアリーの方だと思っている弟と、ビリーの方だと思っている姉という構図が美しいなと思いました。
以下、ネタバレを含む感想です。
最終決戦でダイアナに自分が持っている神の力を渡すメアリーもとても良かったです。神の力を渡すと普通の人間に戻ってしまうので戦場にいるには危険すぎる状態になるのですが、そこを助けるのがエッタとスティーブ、それにチーターという(比較的)普通の人間の力で頑張っている人たちというのも良かったと思います。
ダイアナを含めた神々の戦場はもはや普通の人間にはどうしようもない世界なのですが、メアリーをはじめとする普通の人間たちの行動がそれに一矢を報いたなと思いました。
物語のラストではビリーがシャザムの力を取り戻し、メアリーはというとヒッポリタ女王(現在はオリュンポスで新米の女神になっています)からSelene, Hyppolyta, Artemis, Zephyrus, Aurora, Minervaの六女神の力を力を得て別タイプのシャザムとなるのでした。これでシャザムファミリーはシャザムが二人いる体制になるんですかね。