Black Labelで展開されたWonder Woman Historia: The Amazonsを読みました。アマゾン族の出現からダイアナの誕生までの歴史を改めて描いた物語になっています。Black Labelだけあり、血なまぐさいシーンも出てきます。
Written by: Kelly Sue DeConnick
Art by: Nicola Scott, Phil Jimenez, Gene Ha
発行年 2023年
公式サイトはこちら。
筆者はいつも通りに電子書籍で読みましたが、とにかくアートが美麗! なので本来は紙の本で読む方がいいんだと思います。電子書籍で読むにしても、なるべく画面が大きいデバイスで読んだ方がいいかもしれません。
あらすじとしては、ギリシア神話の女神たちがゼウスをはじめとする男神たちに隠れて女性たちを助けるためアマゾン族を産むのだったが、やがて男神たちにその事実が露見し怒りを買うのだった――というものです。
アマゾン族の中に名前がついたキャラクターが何人も登場しますが、基本はヒッポリタとギリシア神話の女神たちがメインです。そのため、ワンダーウーマンのファンというよりはギリシア神話のファンによりおすすめの一作になっていると思います。神々の身勝手さへの絶望、特に女性という立場での絶望をひしひしと感じる作品です。
以下、ネタバレを含む感想です。
この作品が面白いのは、アマゾン族の敗北で終わるところだと思います。アマゾン族は神々に敗北し、隠れ住むようになったのがセミッシラ島――というところで物語は実質終わっています。そして唯一の希望として誕生するのがダイアナです。
正直、ダイアナの誕生については物語の最初の方でほのめかされているのでラストまで引っ張らなくても、途中で颯爽と登場してアマゾン族を救うとかできないのかと思わなくもないのですが、まあダイアナが誕生するタイミングはアマゾン族がセミッシラ島に隠れてからでないといけないのでしょう、多分。アマゾン族が将来再びセミッシラ島を出るための鍵というか。
そういう「もっと前のタイミングだったらいいのに! でも実際はこのタイミングなのか~」という感じも、歴史の物語という印象を強めている作品でした。