Batman Urban legendsのVol. 5を読みました。バットマンやゴッサム市に関わる出来事を2-3話の短編で描くシリーズですが、この巻では
- Signal (シグナル、デューク・トーマス)を中心にしたOutsidersの活躍の話
- Batman (ブルース・ウェイン)の両親がタイムスリップして現代に現れる話
- アルフレッドが一人で事件を解決する話
などが収録されています。この感想では、バットマンの両親がタイムスリップしてくる話をとりあげます。
Written by: Joey Esposito, Dennis Culver, Brandon Thomas, Chris Burnham
Art by: Alberto Alburquerque, Hayden Sherman, Vasco Georgiev, Chris Burnham
発行年 2023年
公式サイトはこちら。
ゴッサム市で起きる謎の事件を追うバットマン。しかしそんなさなかに、ブルースの両親であるトーマスとマーサとしか思えない二人が現れるのだった。はじめは偽物ではないかと疑うブルースだったが、二人は本物でタイムスリップしてきたことが明らかになる。はたして、二人は大人になったブルースの姿をどう評価するのだろうか……というのがあらすじです。
こうあらすじにまとめると、人生の通信簿をもらう感じがありますね。子供の頃に両親を失ったブルースは、お父さんお母さんが生きていてくれたらと何度も思ったことでしょう。学校でよい成績をとったりした時にアルフレッドはもちろんほめてくれたでしょうが、お父さんお母さんに褒めてもらいたいと思ったことは一度や二度ではないでしょう。
とはいえもう立派に大人になり、バットマンなんて活動をしているブルース。まともな大人なら到底やりそうもないヒーロー活動を人生をかける仕事にしてしまっているわけです。
常識人であるブルースの両親は、当然そんな息子を否定するわけですが果たして彼らにバットマンの意義を分かってもらえることができるのか……というのが見どころになっています。
これ、脇役で登場するのがディック (ブルースが最初に育てた子供)なのと、ダミアン (ブルースの息子)なのが良かったと思います。両親に否定されるブルースですが、ブルースがバットマンとしての活動をしていなければ彼らの人生は大きく変わってしまっていたわけで。ブルースはバットマンという活動を通して犯罪者と戦っているだけではなく、誰かの人生を守っているとも実感できる展開になっていたと思います。