2021年8月25日水曜日

Green Lanterns (2016-) Vol. 5: Out of Time 感想

 ※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。


 Jessica Cruz (ジェシカ・クルズ)とSimon Baz (サイモン・バズ)、二人の新人グリーンランタンが地球を守るシリーズの第5巻は100億年前の過去の地球へと舞台が移動します。

 

【基本情報】
Writer: Sam Humphries
Art by: Scott Godlewski, Carlo Barberi, Eduardo Pansica, Ronan Cliquet, Various
Cover by: Andrew Hennessy, Bradley Walker
発行年 2018年


公式サイトはこちら。


 前巻のラストに引き続き、世界で始めて力の指輪を手にしたVolthoomとの戦いが続く。前巻ラストの戦いで二人は過去へと飛ばされ、サイモンは指輪を破壊されたのだった。

 100億年前の地球で二人の前に現れたのは、最初のグリーンランタンとして様々な星から選ばれた7人だった。彼らと共に過去のVolthoomを倒すしか二人が帰る道はない。藁をもつかむ思いで7人の新人グリーンランタンを特訓するジェシカとサイモンだったが――というのがあらすじです。

 なにしろ、ジェシカ自身もVol. 4で初めてグリーンランタンの正規の訓練を受けたばかりですし、突然集められた7人のグリーンランタンがそうそう簡単にいうことを聞いてくれるわけもなく――、また7人の性格も思惑も異なりますのでチームワークといっても最初はなかなか機能しないのですが、世界のピンチということを背景に何とか乗り越えていきます。

 強力なパワーを持つVolthoomに対して、素人に毛が生えた程度の7人では厳しいのではと思わせるものもあるのですが、皆の協力でカバー! という熱い展開になっています。

 特に格好いいのはサイモンですね。メンバーの中で唯一指輪の力を使えない彼が、どうやって戦っていくのか。大きな見どころになっています。

 

 

 以下、ネタバレを含む感想です。

 

 Vol. 1から続いてきたVolthoomの話なのですが、彼を救えなかったのは残念でした。Vol. 4の感想にも書きましたが、Volthoom関連の話は真相が明らかになればなるほど「誰も悪くないよね……」という気持ちになります。みんなを救えるような形での解決を望んでいたのですが、そうはならず、少しもやもやしたものが残ります。

 彼は自分の世界を救いたかっただけだったのになと思うと、もう少し違う形で指輪の力と出会っていたら、と思わずにはいられません。