※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。
Rebirth期Green Lanterns誌のVol. 4を読みました。この巻では、
- 先輩グリーンランタンたちによるJessica Cruz (ジェシカ・クルズ)とSimon Baz (サイモン・バズ)の厳しいTraining
- 最初に指輪の力を手にしたVolthoomの過去の話
の2つのエピソードが収録されています。Volthoomの話はVol. 5以降へと続いていくようです。
Writer: Sam Humphries
Art by: Carlo Barberi, Julio Ferreira, Eduardo Pansica, Ronan Cliquet, Daniel Henriques, Robson Rocha, Matt Santorelli
Cover by: Mike McKone
発行年 2017年
前半の話では、これまで「他のグリーンランタンたちは別のミッションで忙しい」という理由から碌な訓練も受けずに二人体制で地球を守っていたジェシカとサイモンに、ようやく正式な訓練が与えられます。
以前に訓練を受けたことのあるサイモンはともかく、いきなり実地でグリーンランタンとしての経験を積む羽目になったジェシカはそもそも無茶苦茶なことをさせられていた気がするので、訓練を受けられること自体は良かったねという気持ちで見ていたのですが。
ジェシカの指導に当たる先輩グリーンランタンが、問題児として有名なGuy Gardner (ガイ・ガードナー)でしかもかなりスパルタです。いきなりの体育会系指導です。読んでいて、
「うち（地球）のジェシカは繊細なんですからもっと優しく指導してください！」
と言いたくなるような状態でした。
へこたれそうになるジェシカですが、新人グリーンランタンの指導責任者であるKilowog (キロウォグ)か彼女にかける言葉が印象的でした。
"THE EMERALD SUN IS ALWAYS UP THERE. YA JUST GOTTA KNOCK YOUR WAY PAST THE CLOUDS."
「エメラルドの太陽はいつも頭上にある。雲の向こうに訪ねていけばいい」
"JUST LIKE YOUR WILLPOWER. IT CAN'T BE LOST OR FOUND. IT CAN NEVER LEAVE YOU."
「意思の力も同じことだ。意志の力をなくしたり見つけたりすることはできない。意志の力が人から離れることはないのだから」
このシリーズが始まって以降、ジェシカは新人ということもありWillpower (意志の力)が十分出なくて振り回されて来たような気がします。そんなジェシカの意識をがらっと転換させる一言ですね。生徒のタイミングを見て、こんな風に大事な言葉をかけられる先生は素晴らしいです。
果たしてジェシカはこの言葉を胸にガイ・ガードナーの特訓に耐えられるのか？ というのが前半の見どころになっています。
後半は、グリーンランタンの指輪を作った一族であるGuardiansの一人、Ramiと、最初に力を持つ指輪をはめたVolthoomの因縁の話になっています。
Vol. 3までの情報ではVolthoomは異世界の住人で、何者かによってその世界が滅ぼされつつあるため脱出し、助けを求めてこちらの世界にやって来たということになっていました。Guardians達はVolthoomの持つ技術を研究し力を持つ指輪をつくりあげたものの彼を元の世界に戻そうとはせず、Volthoomは永遠に近い時間の中でGuardians達を恨みながら過ごしていたのでした――という、Volthoomがとても可哀想な状況になっていました。
この巻で明らかになったのは、どうもVolthoomが元居た世界を滅ぼしに来たのは力を持つ指輪を得た未来の彼自身らしく、それを察知したGuardiansの一人Ramiが彼を元の世界に戻すまいとしたらしい、ということです。
こうなってくると、「誰も悪くないけど不幸な人が生まれてしまった」というやるせない状況のような気もしますね。
Volthoomが元居た世界に戻るためには世界で初めて作られた7つの指輪が必要なのだそうですが、そのうちの1つはジェシカの持つ指輪へと姿を変えたらしく、VolthoomとRamiの因縁にジェシカも巻き込まれることは確実そうです。
VolthoomとRamiの話はVol. 1からずっと少しずつ進んできただけに、ジェシカとサイモンがうまく事態を解決してくれるといいなと思います。
