2024年7月20日土曜日

Batgirls (2021-) Vol. 1 感想 -ありそうでなかった、全員Batgirlチーム-

※このシリーズの各巻感想はこちらをご覧ください。 

 Batgirlといえば、バットマン(ブルース・ウェイン)を中心とするヒーローたちの中でも比較的若い女性のヒーローが名乗ってきた名前です。

 歴代バットガールの中でも、2代目であるBarbara Gordon (バーバラ・ゴードン)、3代目であるCassandra Cain (カサンドラ・ケイン)、3代目であるStephanie Brown (ステファニー・ブラウン)が有名です(ちなみに初代はBette Kaneですが、現在ではこの設定はほぼなくなってしまっています)。 

 この3人は仲が良くしばしば共闘しているので3人でバットガールズチームを作れば、というのは多くの人が考えたことがあると思うのですが、同時にバットガールを名乗るのは1人だけというルールがあったのか何なのか3人ともがバットガールを名乗るチームを作ることはこれまでありませんでした。それがこのシリーズでようやく実現し、3人が同時にバットガールを名乗るチームが誕生したことになります。

 とはいえ、バーバラ・ゴードンは情報担当および後方からの指揮という役割が多く、Oracle (オラクル)的な活躍の方が多いですね。

 

【基本情報】
Writers: Michael Conrad, Becky Cloonan
Artist: Jorge Corona
発行年 2022年


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 物語の舞台は、バットマンをはじめとするヒーロー活動が違法とされ、人々からの信頼もあまりない状況のゴッサムです。バーバラ・カサンドラ・ステフの三人は敵のみならず民間警察とも対立しながら戦っていくことになります。

  結果的にどうなるかというと、極秘のアジトに3人でこそこそと住みながら活動をするということになっています。まずこの、3人で同じ家に住むというところがいいと思うのですよ。のんきなたとえになりますが、合宿のようです。

 そんな3人の住むゴッサムにいくつかの事件が並行して起こり、バーバラの築いたネットワークも何者かが侵入してしまうというかなり追い詰められた状況になるのですがチームで力を合わせて何とかする――というのがあらすじです。

 事件はこの巻だけで完全に解決するわけではないのですが、最後には派手なアクションシーンもあってこの巻だけでも満足感はあると思います。

 3人でアジトに一緒に住んでいるところもそうなのですが、ヒーロー活動をしながらもどこか普通の女性といった感じがあり――大学生くらいが3人でわちゃわちゃとサークルか何かの活動をしているような雰囲気があって楽しく読める一冊でした。

 ちなみに、バリアントカバーとして発売されていたRian Gonzalesによるイラストが話ごとに挿入されています(下図)。特にストーリーと関連してはいないのですが、とてもかわいいです。