Batman Urban LegendsのVol. 4を読みました。バットマン関連やゴッサム市関連の事件を描く短編集。中編を集めたVol. 3とは違い、Vol. 4はまさに短編集といったようすで、いくつもの作品が収録されています。テーマはチームアップなのか、バットマンとフラッシュ、バットマンとQuestion (Vic Sageの方の)がコンビとして活躍する短編なども収録されていますので気になる人にはおすすめです。
筆者はこの中で、Birds of Prey ――バーバラ・ゴードンやダイナ・ランスを中心とするいつものBirds of Preyではなく、Lady Shivaを中心とするBirds of Preyの話が気になりました。
Writer: Che Grayson
Artist: Serg, Acuna, Ivan PLascencia
発行年 2023年
公式サイトはこちら。
人の記憶を操作するアプリ、Memory Laneをめぐってある陰謀が進んでいる。殺し屋のLady Shivaはそれに対応すべく、他に三人のメンバーを集めるのだったが――
というのが物語の発端です。何で殺し屋が陰謀に対応するんだ、という話ですが一応Batman (バットマン、ブルース・ウェイン)からの指示ということになっています。
彼女が集めた三人のメンバーが、
- Katana (カタナ、タツ・ヤマシロ): 魔剣Soultakerを振るって戦うヒーロー。
- Ghost (ゴースト、サンディ): ゴッサム市で泥棒行為を行い、貧しい人に分け与えている。
- Miracle Molly (ミラクルモリー、Mary Kowalski): ゴッサム市を中心に活動するヴィランであり、情報技術やメカに詳しい。
という面々です。まあ、Lady Shivaはアプリなどに詳しくなさそうなので詳しい人を呼ぶのはいいとして、ゴッサム市を縦横無尽に動き回れる人を呼ぶのもいいとして、カタナさんを呼ぶのは何でかなあというのは正直なところです。
Batman and the Outsiders (感想はこちら)でもレディ・シヴァとカタナはいろいろ絡んでいましたが、基本的に仲が悪そうでしたし。
今回もやっぱり仲が悪いので、大人げなく争う大人二人をGhost, Miracle Mollyといった若手が止めるのを見るのを楽しむ作品という雰囲気になっています。
二人とも、自分が思っている相手(カタナの場合は死んだ夫から、シヴァの場合は捨てた娘から)から得られない愛を求めていることが描かれているのでいくらでもしんみりとした描写ができるはずなのですが、大人二人の不毛な言い争いという形で描写されている(下図)のでそのドタバタを楽しむのがいいという感じです。
物語の中でBirds of Preyという言葉も出ては来るのですが、別にBirds of Preyと名乗る必要もないかな……と思いました。急造チームですし。今後も続いていくのだったら何らかのチーム名は必要でしょうが、今(2023年)のところその様子もないですし。