2023年8月25日金曜日

Knight Terrors: Zatanna 感想 -ザターナファンには大満足の一作-

  Knight TerrorsはDCコミックスの2023年夏のイベントです。敵の攻撃により、悪夢の中に閉じ込められるヒーローたち。果たして脱出できるのか――というのが全体の流れになっています。

 様々なキャラクターを主人公にした2話ずつの短編が発表されましたが、基本的には悪夢世界の中のヒーローたちを描く物語のようです。

  一方、ザターナが主役のこの短編は少し違っていて、悪夢世界に入るのを逃れたザターナが事態の打開に向けて頑張る展開になっています。他の短編を読まなくても、「ヒーローたちがほとんど悪夢世界に閉じ込められてしまったらしい」ということだけ押さえておけばこの短編だけで読めます。

  ザターナと一緒に戦うのがRobotman (ロボットマン)で、この人 (ロボット)はDoom Patrolのメンバーだそうです。筆者は初めてこのキャラクターを意識して読みました。

 なお、この記事の一番後ろにネタバレを含む形で書いていますが、ザターナファンにはおすすめできる一作だと思いますのでぜひ読んでみてください。

 

【基本情報】
Writer: Dennis Culver
Artists: David Baldeon (Cover Art, Penciller, Inker), Rain Beredo (Cover Art, Colorist)
発行年 2023年


Amazonのサイトはこちら (#1)。



 悪夢世界に囚われてしまったヒーローたち。かろうじて逃れたザターナは、眠っているWonder Woman (ワンダーウーマン、ダイアナ)とDetective Chimpの身体を守りながら敵と戦うため、「今活動できているヒーロー」という条件でヒーローを召喚する。

 やってきたのはロボットマンだった。ロボットたちは眠らないため悪夢の魔法の影響を受けにくかったようだ。Doom Patrolとはあまり良い縁がなかったため戸惑うザターナだったが、とにかく協力して敵の攻撃を退けようとする。果たして二人は悪夢世界に閉じ込められずに敵を撃退し、活動している他のヒーローと合流できるのか――というのがあらすじです。 

 見どころは、なんと言ってもロボットマンとの急造チームですね。二人しかいないのですから協力して戦うしかないのですが、中々息の合わない二人。ザターナも焦っていますが、ロボットマンも魔法とは縁が薄くザターナのやろうとしていることがピンとは来ていない様子。 

 果たして二人の息が合うのが先なのか、敵に負けるのが先なのか。ハラハラしながら楽しく読める作品だと思います。

 

 ***以下、ネタバレを含みます***

 

 途中ロボットマンとはぐれて一人になったザターナが絶体絶命の大ピンチに陥る場面があります。普段でしたらコンスタンティンなり他の魔法メンバーなりが颯爽と現れてザターナを助けるところですが、何しろこの話は前提として活動できるヒーローがほとんどいない状態なので、ザターナが一人で何とかします。

 筆者としては、このシーンがあったので大満足でした。

 いつものパターンですと、ザターナのピンチにコンスタンティンが助けに来て事態を解決するという展開になるのでどうしてもザターナがコンスタンティンの引き立て役に見えるという問題があります。

 この作品では、ザターナがザターナ一人で頑張って事態を解決していくので、それだけでザターナファンには満足な展開です。

 

 他のヒーローと協力するのはいいのですが、ザターナが引き立て役になる展開はそろそろお腹いっぱいになってきたというのを