Detective Comicsは、Batman (バットマン、ブルース・ウェイン)やその仲間であるバットファミリーの活躍を描くシリーズです。
2021年から始まったMariko Tamakiがメインライターを務めるDetective Comicsの実質第四巻であるこの巻では、ゴッサム市に新たに建設されるArkham Towerをめぐる一大バトルが展開されます。
バットマン(ブルース・ウェイン)はほぼ登場しませんが、代わりにバットファミリーが大活躍。特に筆者の好きなBatwoman (バットウーマン、ケイト・ケイン)、Oracle (オラクル、バーバラ・ゴードン)、Huntress (ハントレス、ヘレナ・ウェイン)が重要な役どころで登場していたので大満足な一冊でした。
実質第四巻、と書いたのはこの一冊、Vol. 3から続くストーリーが描かれているのですけれどVol. 4は別に出る(このThe Towerの続きの話になっているはずです)からです。なんと分かりにくい。
Writer: Mariko Tamaki
Artists: Amancay Nahuelpan, Ivan Reis, Max Raynor
発行年 2022年
精神病者を治療するためにゴッサム市に新しく建設された施設、Arkham Tower.はじめは精神病であると診断された犯罪者たちを入院させていたが、いずれは精神病に悩む一般市民たちにも解放される予定だった。
犯罪者たちがおとなしく入院しているとは思えず潜入して捜査するバットファミリーたち。意外なことに、犯罪者たちは治療がうまく進んでいるように見えた。しかし、彼らはなぜあんなにもおとなしくなったのか? そしてゴッサムに持ち込まれている大量の薬物は何なのか?
というのがあらすじです。冒頭にも書きましたが、とにかくバットウーマン(医師としての潜入担当)、オラクル(司令塔)、ハントレス(患者としての潜入担当)の三人が三者三様の活躍を見せる展開が大好きです。
ハントレスはこのMariko Tamakiが描くストーリーの中ではVol. 1, 2あたりの影響で本当に脳に異変が起きていそうな雰囲気があるわけですが、患者として入院した後に見せる彼女の様子もArkham Towerの不気味さを印象付けます。
Arkham Tower, 治療がうまくいっていると見せかけて不穏な空気をあちこちに漂わせ読者としても「これは絶対何か裏がある……」と読み続けて真相が明らかになったところで訪れる突然の暴力的な大混乱。
前半の静かな不気味さと、後半の荒々しい混乱ぶりは静と動の対比のようで、読んでいてもぐいぐいと引き込まれる一冊でした。
バットファミリーの女性陣が好きな人にはおすすめの一冊です。